新・ことば事情
6309「太客」
日本テレビの『マツコ会議』を見ていて耳にした言葉で、
「うちのフトキャク」
というのがありました。たぶんこの「フトキャク」は、
「太客」
と書くのでしょう。「太い客」です。と言ってもマツコ・デラックスのようなお客さんを指しているわけではないでしょう。「太い」というのは「体格」ではなく、
「常連」
であるとか、
「たくさんお金を使ってくれる(落としてくれる)客」
のことを指すのでしょうね。俗語・隠語だと思われます。
ネットで「太客」を引くとトップに「日本俗語辞書」というサイトが出て来ました。
http://zokugo-dict.com/28hu/hutokyaku.htm
それによると、「太客」とは、
「『太っ腹な客』の略で"ふときゃく"と読む。主にホストクラブ、他に風俗店で使われる言葉で、ホスト(ホステス)や経営者から見て多額のお金を使う客を意味する(一度の来店における額でなく、月にその店で使う額から決めていることが多い。基準額は店やホストのレベル、価値観によって異なる)。太客の類語・対語に極太客・細客・極細客がある。」
とありました。
2番目に出て来たサイトは「キャバクラ嬢」のサイトでしたから、やはりそういった、
「風俗関係の店」
で使われている言葉なんでしょうね。時々マツコさんはこういう「業界用語」を使いますね。この「太客」、『三省堂国語辞典』には載っていませんでした。米川明彦先生の『日本俗語大辞典』にも載っていませんでした。グーグル検索では(5月2日)
「太客」=32万件
でした。結構、あるんやな。