新・読書日記 2017_038&039
『騎士団長殺し・第1部 顕(あら)れるイデア編』『騎士団長殺し・第2部 遷(うつ)ろうメタファー編』(村上春樹、新潮社:2017、2、25)
村上春樹の新作。2月25日の発売日に買ったけど、1か月間、読み始められなくて、3月下旬にようやく読み始めて、2冊読むのに2週間かかってしまいました。
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100ページぐらいまで読むまでペースが出ないというか。あまり面白くない。
「色を免れる」という漢字を書く「免色さん」という謎めいた人物が登場して、物語が動き始める。ミステリーとホラーの要素も含まれて面白くなって来るけど、実はあまりホラーじゃないんだよね。「騎士団長」が出て来ると、笑える。騎士団長の特徴的な喋り方である、「あらない」だけど、実は関西弁の否定形である「へん」が付いた「あらへん」の「へん」の代わりに「ない」を置いたと考えると、そんなにヘンでも「あらない」でのある。
村上春樹は「色」と「音楽」ということを、いつも考えているのではないかなあという気が感じられた。
タイトルの「イデア」と「メタファー」も難しいし、「あらわれる」と読む「顕れる」や、「うつろう」と読む「遷ろう」など難しい読み方の漢字を使っているが、これは物語を「ミステリー」のベールでくるんだということなのかなあ。
でも、全体としては嫌いじゃないお話でした。
面白かったのは、この小説に出て来るクラッシック音楽を集めたCDが出ているのを発見したこと。(買った。)どこにも「騎士団殺し」とも「村上春樹」とも出て来ない。
「あの毎年ノーベル賞候補に上る人気作家の、話題の新作小説に出て来るクラシック音楽」
と書かれていました!許可が下りなかったのかな?良い企画だと思うけど。
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