新・ことば事情
6290「円は直線か?」
『時間の言語学』(瀬戸賢一、ちくま新書)という本を読んでいて、ふと、ある考えが浮かびました。
「円は直線か?」
という疑問です。普通考えると、
「円は『曲線』に決まってるじゃないか!『直線』と『曲線』は違うだろ!」
と思うと思うのですが、例えば、
「赤道」
つまり、「緯度0度」の線は真っ直ぐ伸びる「直線」ですよね。でも「赤道」は
「地球を一周」
して元の所に戻るのですから、もし「北極上空の宇宙空間」から見たら、
「円」
を描いていますよね。ということは、
「ミクロでは『直線』だけけど、マクロでは『円』という状態があるのではないか?」
と思ったのです。それはつまり、われわれが普段考えている概念での「円」と「直線」の区別に関して、
「定義の前提条件が必要ではないのか?」
ということです。
「『円』と『直線』の間の線引き」
ですね。(しゃれてる場合か。)
一般的にイメージされる「円」は「平面」に書かれているので「曲線」であり、「直線」ではありません。
しかし、地球を一周する「立体」において、「円」は「直線」。しかも「ループ」=閉じていますから「無限に続く」という意味で「直線」です。
任意のスタート地点からの距離によって二分されることはありますが、
「ループ」は「無限」
ですよね。
「一筆書きの円」とこの場合の「ループの大きな大きな円」は、違いますよね。
あの「和歌山毒入りカレー事件」のヒ素の鑑定に使われた「スプリングエイト」なんていう巨大な施設は、「円と直線の問題」に関係しているのではないかしら?と思います。
結論は出ないのですけど、「ウィキペディア」には「円」の定義の最初の所に、
「円とは、平面(二次元ユークリッド空間)上の、定点0 からの距離が等しい点の集合でできる曲線のことをいう」
とありました。また、「円は直線か?」でグーグル検索をしてみたら、「ヤフー知恵袋」に同じ質問をしている人がいて、そのベストアンサーに、
「物理とか工学では非常に有用な考え方です。 例えば地球は球体ですが、我々人間から見ると巨大すぎて平面にしか見えません。 円の半径がその観測者に対して十分巨大であれば直線とみなすことが出来ます。もしその半径が無限大なら誰から見ても直線に見えるわけです。 大学数学の複素解析ではリーマン球面という概念を用います。この理論の中では無限遠点では+と-がつながっていると考えるわけです。実際複素関数の領域では直線の逆数は円に、 円の逆数は直線に変換されます。」
という回答を「ryoboo27さん」という方が返されていました。やっぱり!!
文系の私は、
「リーマン球面」
という言葉を初めて知りました。「リーマンショック」は知っていましたが。
やはり「考え方」としては「あり」なんですね。