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『道浦TIME』

新・ことば事情

6264「智頭町は『づ』か?『ず』か?」

1月から2月にかけて、西日本の日本海側は、雪が例年になくたくさん降り積もりました。ということで、鳥取県の

「智頭町」

も、ニュースによく出て来たのですが、これに振り仮名を振ろうと、確認をしたところで疑問が。いつも使っている「共同通信」のハンドブックは、

「ちづちょう」

「づ」になっているのに対して、「読売新聞社」のハンドブックは、

「ちずちょう」

「ず」になっていたのです!

「発音」を「現代仮名遣い」で書けば「ず」が正しいのです。

しかし、当の「智頭町」のホームページを確認すると、

http://www1.town.chizu.tottori.jp/

なんと、

「ちづちょう」

「づ」で書かれていました。「歴史的仮名遣い」を採用しているのです。

こうなると、「固有名詞」としてその表記に従わざるを得ません。「ミヤネ屋」では、

「ちづちょう」

で放送しました。

「づ」「ず」を気にしていたら、大阪・豊中市の、安倍首相夫人が名誉校長になっていていろいろと取沙汰されている小学校(4月開校予定)の名前、

「瑞穂の國」

「瑞穂」が、

「みづほ」

「歴史的仮名遣い」(旧仮名遣い)でしたね。「國」も「旧字体」だし、「名は体を表す」と。

あと、今度の3月に、私が所属する合唱団の「60周年記念コンサート」を開くんですが、そこで歌う「啄木短歌集」歌詞は当然(啄木の歌の表記のまま)「歴史的仮名遣い」(旧仮名遣い)なのですが、8首の歌の「タイトル」が、楽譜では「新仮名遣い」になっていて齟齬がありました。

(タイトル) (歌詞)

頬をつとう  :頬をつたふ

はずれまで :はづれまで

楽譜の中に書かれた歌詞は「発音記号」であると考えれば「新仮名遣い」でいいと思いますが、啄木の「歌詞」と、そこから取ったタイトルは「歴史的仮名遣い」が妥当だと思いました。

(2017、2、24)

2017年2月28日 11:30 | コメント (0)