新・ことば事情
6262「プレ金」
2月24日、その月の「最終金曜日」の仕事を、午後3時で切り上げるという、
「プレミアムフライデー」
が、始まりました・・・と言っても、午後2時から4時まで生放送を担当している私たちには、あんまり関係が無いんですけど・・・。経済産業省の肝煎り。
経済効果が果たしてあるのか?というか、どのくらいの人がこれを実行できるのか?しなきゃいけないのか?どうなのか?などと思っていたら、ネットニュースの見出しで、
「プレ金」
という文字を見かけました。
あっそうか、これは「プレミアムフライデー」が長いから「プレミアム」を「プレ」に略して「フライデー」を「金曜日」の「金」に置き換えたんだ!なんだかなあ・・・。
グーグル検索では(2月24日)、
「プレミアムフライデー」=92万9000件
「プレ金」 =33万2000件
結構、もう使われているんだ、「プレ金」!「成(り)金」にも似てるし、昔の、
「花金」
を思い出すなあ。もう「死語」でしょうねえ。これも検索。
「花金」=44万1000件
「華金」=45万2000件
「ハナキン」=10万6000件
「ハナ金」 = 2万7300件
でした。
米川明彦先生の『明治・大正・昭和の 新語・流行語辞典』(三省堂)を引いてみると、
「1985年(昭和60年)」
の流行語として載っていました。
*「花金」=「花の金曜日」の略で、金曜日の夜遊んで楽しむ事。週休二日制になって生まれた。▼『現代用語の基礎知識一九八六年版』若者用語に「はな金 花の金曜日。OL用語」とある。」
と載っていました。『三省堂国語辞典』にも載っていました。
*「はなきん(花金)」=「(←花の金曜日)(俗)土曜日・日曜日の休みをひかえた、心もうきうきするような金曜日」
いいですねえ・・・うきうき。ウキウキ。ブギウギ。
「花木」
というのもあったな。「ハナモク」。これも「死語」ですね。検索、検索。「花木」だと「花」と「木」(ハナキ)を検索しちゃうから、2語で。
「花木・ハナモク」=1万4500件
「花モク」 = 628件
「ハナモク」 = 9490件
これは、全然定着しなかったようで。
「花金」や「花モク」は、「お上」が決めたわけではありませんでしたが、今回の「プレミアムフライデー」は、お上(経済産業省)主導。お上が決めて、意外と定着したのは、
「クールビズ」
ぐらいですかねえ・・・。
そして、きょう(2月24日)の「ミヤネ屋」で「プレミアムフライデー」を取り上げたのですが、その中でインタビューに応じてくれた「50代主婦」の方。昼間からビールを飲んでいて、
「ごめん!今、ごちそう 食べて来てん!」
「でも、ビールは2本までやで」
と、のたまいます。そしてディレクターの、
「『プレミアムフライデー』は、いかがですか?」
という質問に対して、一言、
「いらん!」
彼女の「50代主婦」というスーパーの横には、こう書かれていました。
「プレミアムエブリデー」
うまい!
そういえば40年ぐらい前に
「毎日が日曜日」
ってのがあったな、城山三郎の小説。思い出しました。