新・読書日記 2017_019
『お祈りメール来た、日本死ね~「日本型新卒一括採用」を考える』(海老原嗣生、文春新書:2016、11、20)
「日本死ね」が去年の「新語・流行語大賞」に上がったので、この言葉は嫌いだけど、よく考えてみないといけないかなと思っていた時に、この本のタイトルを見かけたので購入。
しかし、実はこの本の内容は「サブタイトル」のほう、
「『日本型新卒一括採用』を考える」
にあった。つまり日本の「新卒採用」という採用の仕方は、よく、
「『世界標準』じゃないので、良くない」
と否定・批判されるが、実は、
「もちろん悪い面もあるが、だからと言って外国の採用の仕方が問題なく良いわけではない。(「インターン制度」なども)『一長一短』『で、日本型経営にはこの『新卒採用』は意外と合っているのではないか?」
というような見方で綴られているように思った。
また、タイトルの「お祈りメール」というのは、採用に落とされた学生に対して、落とした会社から送られる
「貴殿の今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます」
という、木で鼻をくくったような慇懃無礼なメールのこと。何社も、何十社も落とされた学生から言うと、
「ケッ!!何言ってやがんでい!」
てなものだろう。
私たちの頃、と言ってもう30年以上前で比較にならないけど。その頃の就職活動(「就活」という言葉もなかった。これは21世紀に入ってから出来た言葉では?)は、メールが無かったし、こんな思いはしなかったのだろうけど、現代では手軽なメールで届くからこそ、その「手軽さ」で綴られた文章に嫌気が差すのだろうなあと感じた。
採用方法に「一長一短」があるのは当然で、ある方法の良い面だけを見ても仕方がない。良い面・悪い面を比較して、どちらのメリットが大きいか。それは会社によっても違うと思うので、「一律」というのもなあ・・・と感じた次第です。