新・読書日記 2017_017
『現代の名演奏家50~クラシック音楽の天才・奇才・異才』(中川右介、幻冬舎新書:2017、1、30)
昨年末から、ものすごいペースで(毎月のように)本を出されている中川右介さん、今回は「本業」と言える「クラシック音楽」に関する著書。
このところ「500ページ近い」とても分厚い新書を立て続けに出されていたが、本書は270ページ、常識的な(?)厚さになっている。
今回は、購入する前に中川さんから贈って頂きました。ありがとうございます。
クラシック音楽に興味はあるが、それほど詳しいわけではない私などにはピッタリの一冊。2014年1月から2015年11月までCD付きマガジン『クラシックプレミアム』(小学館・全50巻)に連載されていたエッセイを基に書かれたものだそうだ。ということは連載時のマガジンを買っていれば、文章も読めてその実際の音楽(CD)も聴けたのか。しまった・・・買っておけば良かった。
しかしCD全部聴くのも大変だし、ここで紹介されたCDの中から「これは・・・」と思う物をピックアップして聴くのもいいかもしれない。
最後に中川さんが書いているが、やはりこうやって「現代の名演奏家」=「20世紀から21世紀の音楽家」について通して見てみると、20世紀のクラシック界は、
「カラヤン」
を中心に動いていたのだなということを、改めて感じたそうだ。
そうでしょうね。クラシック通ではない私でも「カラヤン」は知っていますからね。多くの人たちもそうでしょう(これからは、わからないが)。
ホロビッツやアルゲリッチといったピアノの巨匠。グールド。
ホロビッツの来日公演は1983年の春だったか。クラシック音楽に全く興味のない人まで、 「5万円のチケット」という話題性で、テレビでコンサートを見た(聴いた、というよりも)もんな。私もその一人でした。上手なのかどうかも良く分からなかった。もう「おじいさん」だったし。もう34年も前ですが。
そして「ベルリンフィル」と「ウィーンフィル」という柱。これとのカラヤンの確執。それに振り回される人たち。うーん、人間模様が音楽家には付きまとう。音楽は人間が演奏するんだもんね。
ちょうど直木賞受賞作、恩田陸の『蜜蜂と遠雷』も並行して読んでいたので、よけいに興味深く思えました。