新・ことば事情
6254「叩き込み」
先月、大相撲初場所を見ていて気付いたのですが、決まり手の一つ、
「はたきこみ」
を漢字で書くと
「叩き込み」
なんですね!
「たたきこみ」
ではないんですね!「はたく」を「叩く」と書くとは、知らんかったなあ。
つまり、「叩く」は
「たたく」「はたく」
どちらとも読める。ということは、
「たたく=はたく」
なのか?「たたく」の意味はわかりますが、どちらかと言うと「はたく」のほうの意味が「叩く」には、なじまないような。掃除のときにホコリを払う、
「はたき」
は、「たたいている」と言えば「たたいている」けど、いわゆる「たたく」とは違う気がします。
辞書で「はたく」を引いてみましょう。『精選版日本国語大辞典』では、
*「はたく」(叩く・砕く)
◆1(他動詞・カ行五段)
(1)搗(つ)く。砕く。搗き砕く。砕いて粉末にする。粉にする。
(2)うち払う。払いのける。ごみやほこりをたたいて落とす。
(3)たたく。平たいもので打つ。なぐる。
(4)すっかりなくしてしまう。財産、持ち金、知恵などを使い尽くす。払い尽くす。
(5)身に受ける。蒙(こうむ)る。
(6)しくじる。失敗する。やりそこなう。損する。また、不評を蒙る。
(7)値切る。値段を安くさせる。まけさせる。
(8)口に出す。吐く。ほざく。ぬかす。
(9)相撲で、相手の首や方を上からたたいて前に倒す技をかける。
◆2(他動詞・カ行下二段)(手や足を)のばしたりひろげたりする。
こんなにいっぱい意味があるんだ!『広辞苑』でも5つ、意味が載っていました。
知らなかったなあ。