新・ことば事情
6251「週日」
2020年東京五輪のゴルフの舞台となる「霞ヶ関カンツリー倶楽部」。小池都知事が、
「女性がプレーできないのは差別だ」
という趣旨の発言をして注目を浴びていますが、実は女性会員も200人以上いて、プレーしているそうです。そのあたりに関して「ミヤネ屋」の「パネル」での説明の中で、
「女性会員は『週日』のみ」
という文章が出てきました。この、
「週日」
という言葉が見慣れません。
「平日」
ではないのか?と思ってさらにその下の文章を見ると、
「日・祝日はプレーできない」
とあります。そうすると、
「土曜日はどうなるのか?プレーできるのか?『週日』の範囲とは?」
ということが疑問になります。調べてみると、『広辞苑』に載っていました、
*「週日」=一週間の内の日曜(および土曜日)以外の日。ウィークデー。
うーん、( )の中が問題で「土曜日」を含むのかどうかは微妙ですね。
『明鏡国語辞典』にも載っていました。
*「週日」=一週間のうち、日曜または土曜・日曜を除いた日。平日・ウィークデー。
と、これも「半歩前進」ですが、「日曜を除く曜日」または「土・日を除く曜日」と並列なので、ハッキリしません。
『新明解国語辞典』にも載っていました。
*「週日」=一週間のうち、日曜以外の日。(広義では、土曜をも除く)ウィークデー。平日。
とこれまた「広義」か「狭義」かと区別しているけど、断定はしていません。
『三省堂国語辞典』では、
*「週日」=(1)(土曜および)日曜以外の日。平日。ウイークデー。(2)一週間の日。(例)「週日は月曜に始まって日曜に終わる」
これも、(2)の意味が加わっただけで、(1)の意味・解説は、他と変わりませんね。
そうか、昔まだ「週休2日制」が普及する前は、「一週間」というのは、
「平日」「日・祝日(=休日)」
にきっちり「二分」できたのだけれども、「週休2日制」の普及(=土曜が休み)の進み具合(=一律ではない)によって、それが、
「平日」「土曜」「日・祝日」
に「三分」され、「土曜」を「平日」に区分するのか、「日・祝日」に区分するのかは、
「断定できない状況」
になっているということですね。これは当然、
「平日」「ウイークデー」
の定義の揺れにもつながっていますね。
今回の霞ヶ関カンツリー倶楽部は1929年(昭和4年)創立の名門だそうですが、
「女性がプレーできない『週日』」
というのは、
「日・祝日」
を指すようですから、ここでは、
「土曜は平日(ウイークデー)」
という判断ということですね。