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『道浦TIME』

新・ことば事情

6234「蔵人の読み方」

<2014年12月4日書きかけました。>

「蔵人」

という漢字の読み方について、

「くらうど」か?「くろうど」か?

と疑問に想いました。たぶん、

「くろうど」

だろうと思いました。

「真木蔵人」

さんも「くろうど」だし。しかし、調べてみたら、

「くらひと」

のようなのです。

「月桂冠」のホームページには、こう記されていました。

「杜氏と蔵人・・・酒造りの最高責任者を杜氏(とうじ)と呼びます。酒造りの技術職人集団という意味で杜氏と呼称されることもあります。そのため、冬季に酒蔵で働く人すべてが「杜氏」だと捉えられることもありますが、杜氏と呼ばれる長(おさ)は、一つの酒蔵でただ一人です。杜氏のもとで酒造りに携わる職人は蔵人(くらびと)と呼びます。杜氏・蔵人たちは、農村・山村・漁村から酒どころの蔵元へ出向いて、農閑期・漁閑期ともなる晩秋からの早春の頃にかけて、寒造り(かんづくり)に励んでいます。」

ルビが振ってあって、とても丁寧な説明です。

「剣菱」のサイトも、

「やるべきことは、ひとつ。酒造りの"精鋭集団"蔵人(くらびと)」

とルビが振ってありました。

「暖気樽(だきだる)職人」

などという言葉も!

川島酒造「松の花」のサイトも、

「松の花では冬の11月頃から酒造りが始まります。造りが始まると3月に終わるまで休み無く酒造りをするのが杜氏(とうじ)と蔵人(くらびと)です。」

「くらびと」でした。

日本酒発祥の地と言われる島根出雲の地酒の「ヤマサン正宗」のサイトでも

「蔵人(くらびと)」

とルビを振ってありました。

そして、「杜氏と蔵人の生活」というサイトにも、

「杜氏のもとで酒造りに従事する人間を総称して蔵人(クラビト)と呼ぶ。」

とあります。

どうやら「くらびと」が正しいようですね。

しかし!『夏子の酒』などで有名な漫画家・尾瀬あきらさんの作品に、酒造りに挑戦する外国人を主人公にした

『蔵人』

という作品があり、この単行本の表紙には、

『クロード』

とあります。2006年に単行本第1巻が出ていますが、これは連載されていた時に私、読んでいました!それで「くろうど」と思っていたのかもしれません。

(2016、12、30)

2017年1月 4日 12:16 | コメント (0)