新・ことば事情
6225「糸魚川の読み方」
新潟・糸魚川市の144棟を焼いた大火災から、1週間が経ちました。
火災は鎮火しましたが、まるで空襲の後のような状態はそのままです。お正月を控えて、一日も早い復旧・復興を祈ります。
さて、この地名の、
「糸魚川」
ですが、有名な地名だけれども、
「なぜ『魚』を『い』と読むのか?」
は多分、多くの人が疑問に思っているのではないでしょうか?私も「なぜだろうなあ?」と一瞬考えて、正解と思われる考えが思い浮かびました。
「古語では『魚』は『いお』と言ったので、元々は『糸魚川』と書いて『いといおがわ』と読んだ(呼んだ)のだろう。それがだんだん訛って、
『いとおい』→『いとい』
になったのではないか?」
と。
『精選版日本国語大辞典』で「いお」を引くと『語誌』の欄に、こうありました。
「同義のウオ(ヲ)は奈良時代から使われたが、イオ(ヲ)のたしかな例は平安時代からになる。ただし、イオがウオに取って代わることはなく、散文にイオ、和歌にウオという使い分けが認められる」
ほー、「ウオ」のほうが古いのか。で、「イオ」は「散文」に使われたと。「ウオ」は「和歌」だったのですね。今は「イオ」のほうが、和歌に使われていそうな感じがしますが・・・。たぶん、
「eo光」
は、この「イオ」とは関係ないと思います。