新・ことば事情
6224「四斗樽は三斗樽?」
12月21日、ことしは、きょうが「冬至」です。
読売テレビのお昼のニュースで京都の造り酒屋さんが、お正月の「鏡割り」(「鏡き開き」とも)に使われる「菰樽(こもだる)づくり」の作業がたけなわ、というニュースを伝えていました。ところで、このお酒の入る「樽」は、
「四斗樽」
と言います。これを「よんとだる」と読んだら、先輩アナウンサーに、
「馬鹿野郎!」
と叱られます。これは、
「しとだる」
と読むのです。「四斗(しと)=4斗」は、当然「1斗×4」です。
「1斗=10升」
で、「1升=1、8リットル」ですから、
「4斗=40升=40×1,8リットル=72リットル」
ということになりますね。
ところが!
きのう読んでいた飯田朝子さんの新著、
『日本の助数詞に親しむ~数える言葉の奥深さ』(飯田朝子、東邦出版)
を読んでいたら、こんな記述が(110ページ)。
「日本酒の樽は『ひと樽、ふた樽』、あるいは『一本、二本』と数えます。三斗五升(六三リットル)入りでひと樽です」
と記されているではありませんか!
え?「四斗」入るから「四斗樽」じゃないの?「三斗五升」しか入らないのであるなら、
「三斗五升樽」
なのでは?と思って辞書を引いてみると、今度は、こんな記述が。
「酒などが4斗ほど入る大きな樽。現在ではふつう約3斗2升入りをいう」(『デジタル大辞泉』)
え?「3斗5升」でもなく「3斗2升」?もうそれは「四斗樽」ではなく、
「三斗樽」
では?
うーむ、難しいなあ。