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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_203

『SMAPと平成』(中川右介、朝日新書:2016、12、30)

著者の中川さんから贈って頂いたが、その前に自分で本屋さんで購入して読み出していた。

この2か月で新書3冊という驚くべき健筆ぶり!ただ、この「SMAP」本は、『月9』の副産物で書けた漢字もする。資料などは重なっている部分もあるだろうし、1つの資料を別の視点からピックアップして一冊にまとめた感じ。ベースの資料の一つは「ザテレビジョン」であると『月9』に書いてあったが、通読して感じたのは、思っていたよりも「平成」=「天皇」との絡みが少なかったなと。「SMAP」を語る際の「背骨」となっているのが、SMAPの出した曲の「オリコンチャート」になっているということ。

石原裕次郎や美空ひばりが「昭和」という時代を象徴するアイドルであったことを考えると、「SAMAP」の「6人」(森且行を含む。この本は、森の脱退までの流れが、主に書かれている)はまぎれもなく「平成」という時代を通して「時代を代表するアイドル」であると言えるのだなあと思った。しかし、個人的には、特にCDを買った訳ではないし(「世界に一つだけの花」だけです、買ったのは)、ドラマでもタイトルは知ってるけど、見たことがあるのは「ロンバケ」だけと言ってもいいぐらいなので、まったく私は「時代」に載って来なかったんだなあと思いました。個々には書かれていないけど稲垣君が出ていた「ソムリエ」は見たな。ワイン漫画だったから。

「SMAP」と「天皇陛下」をともに「国民の象徴」として捉えた視点は興味深かったが、天皇陛下が「生前退位」(譲位)というお考えを表明したのに対して、「SMAP」の解散は、所属事務所の社長が「退位しない」ことの表われであった点で、180度違うのだなとも思った。


star4

(2016、12、19読了)

2016年12月29日 12:00 | コメント (0)