新・ことば事情
6222「白煙・黒煙のアクセント」
ご存じのとおり、白い煙を「白煙」、黒い煙を「黒煙」と言います。
このアクセントに関して言うと、標準語では
「ハ/クエン」
「コ/クエン」
と、共に「平板アクセント」です。ことし5月に18年ぶりに出た『NHK日本語発音アクセント辞典』では、「平板アクセント」しか載っていません。しかし最近、違うアクセントを耳にしました。
12月5日の日本テレビ『スッキリ!!』では、女性アナウンサーが、1回目は「平板アクセント」で、
「ハ/クエン」
でしたが、2回目に、
「ハ/ク\エン」
という「中高アクセント」で読んだのです。
それだけなら、単なる「言い間違い」かも知れないのですが、今度はきょう(12月21日)の「スッキリ!!」の中のニュースコーナーで、メキシコの首都・メキシコシティー近郊のトゥルテペックという町にある花火市場で現地時間の今月20日爆発が起き、少なくとも26人が死亡、70人が負傷したというニュースを伝えた女性キャスターが、
「黒煙が上がって」
という原稿の「黒煙」を、
「コ/ク\エン」
と「中高アクセント」で読んだのです。「中高アクセント」の「コ/ク\エン」は、
「黒鉛」
であり、そんなものが上がるのは、
「チェルノブイリ型の原子炉」
であり、花火どころの話ではなくなってしまいます。
最近は、もしかしたら
「『○○煙』と書かれた『○○エン』という言葉を『中高アクセント』で読む」
傾向があるのではないか?と思ったのでした。
危惧しています。皆さん、アクセント辞典を引きましょう。