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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_194

『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争~135枚が映し出す真実』(編著者・田島奈都子、勉誠出版:2016、7、15第1刷・2016、9、30第2刷)

社会言語学者の井上史雄先生が日本経済新聞・日用版の最終面で連載しているコラムで、この本のことに触れていたので購入した。井上先生は、戦時中のこれらのポスターの文字が「右から横書き」か「左から横書き」かという点に注目していて、戦前(戦中)も混在していたことの証拠として捉えていた。

これらのポスターは、長野県金地村の村長(1937年~1945年)を務めていた原弘平(1891年~1950年)という人が集めていた戦意高揚のポスター135枚が、長野県阿智村で見つかったというもの。貴重な資料ですね。中には、有名な日本画家の横山大観や竹内栖鳳(せいほう)、川端龍子(りゅうし)といった人たちが描いたものもあった。へえー。

また、日名子実三(ひなこ・じつぞう)というデザイナーの方が描いたものもあった。この人は、以前、ちょっとだけ調べたことがあるんでが、日本サッカー協会の「八咫烏(やたがらす)」のマークを昭和6年(1931年)にデザインした人で、また、三原順子議員がが国会で取り上げた、宮崎県に今もある「八紘一宇の塔」のデザインもしている人だ。いろんなところで、ちょっとずつ、そういったことに触れる機会があって、非常に興味深い。


star4

(2016、12、6読了)

2016年12月22日 12:15 | コメント (0)