新・ことば事情
6214「『母なる』と『母たる』」
本を読んでいたら、
「母たる○○」(○○は人名)
という文章が出て来て「おや?」っと思いました。
「母なる大地」
等の文章で「なる」のほうが自然ではないか?と思ったのです。
「たる」は、
「男たるもの、こうあらねばならぬ」
みたいな文章で目にします。
そこで「母なる」と「母たる」の違いについて考えてみました。
まず、本に出て来た「母たる」は、
「母である」
という意味ですよね。「母=○○」です。
それに対して「母なる」は、
「母のような」
という意味ですね。「母なる大地」では「大地(地面)」が「母」ではありません。あくまで「比喩」です。「なる」は、
「形容動詞の活用語尾」
であり、「たる」は、文語「たり」の活用形。「たり」を現代口語で言うと、
「だ」
でしょうから、意味は「断定」ですね。文法は詳しくないので、間違っていたらゴメンナサイ。
ですから、本に出て来た「母たる○○」は「正しい」という結論に至りました。