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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_175

『ぼくは こう生きている 君はどうか』(鶴見俊輔・重松清、潮文庫:2016、7、20)

2007年9月~2009年5月にかけて5回対談し、2010年1月に単行本が出たもの。読んでいるときには、鶴見俊輔はまだ存命だと思っていて、読み終わってから「あ、そうか、亡くなったんだっけ!」と思いました。重松清が聞き手というのも興味深かった。

テーマは「子どもに必要な二つの物差し」「家庭」「友情」「老い」「師弟関係」。どれも興味深い。鶴見の言う、子どもに必要な「二つの物差し」とは「父と祖父」。鶴見の父は東大を出て苦学してきたから、子どもに対して「ちゃんとしなさい」という役目。一方の祖父は、なんと後藤新平(!)だが、「俺は牢屋に入った事がある」と威張っていたという。

何が言いたいかと言うと、「ひとつの物差し」だけで生きようとするな、多様性・ダイバーシティーが世の中(社会)では必要であるという、広い視野を持たせることではないかなと思いました。振れ幅の大きい方が、度量が広い人間になる、と。

その他も興味深い事柄を、優しい言葉で話し合っているので、是非お読みください。


star4

(2016、9、26読了)

2016年11月30日 23:00 | コメント (0)