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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_168

『戦後イデオロギーは日本人を幸せにしたか~「戦後70年」幻想論』(古谷経衡、イースト・プレス:2015、8、15)

「日本人を幸せにしたか」という問いがあるのだが、全体的に「そもそも『戦後』という定義は、みんなが思っているようなものなのかどうか?」というところから始まる。昭和20年(1945年)8月15日の敗戦で、きっぱりと「戦前・戦後」に分かれるのではない。社会の仕組みとしては「昭和15年(1940年)」体制が、ずっと続いていると。それは、他の本で読んだことがあるので、それほど目新しくない。

「第二章」の『不完全敗戦論』などは白井聡の「永続敗戦論」と同じだと思う。どうもこのあたりから「アメリカの属国」というのが出てくるような感じ。確かにこの日本の「国のかたち(在り方)」は他国には見られない、世界でもまれな形の体制のように感じる。

そもそも安倍政権の訴える「戦後レジームからの脱却」だが、「戦後レジーム」という形のものはないと否定するのだが、それだけだと、特に何も言ってないのと同じようにも感じるのだが・・・。

読み終えてから、他局のテレビ番組に出ている著者を初めて見て、若い人だとは分かっていたが、まるで「ロック歌手」みたい(特に髪形)で、ビックリしました。


star3

(2016、11、16読了)

2016年11月26日 12:19 | コメント (0)