新・ことば事情
6202「憂える」
トランプ次期大統領が決定したことを受けて、放送の準備をしていた「ミヤネ屋」のディレクターからの質問です。
「『憂う』という言葉なんですか、自分が"過去にしてきたこと"に関して使えますかね?」
「うーん、ちょっと調べてみるわ」
と言って辞書を引きました。すると「憂う」は「文語」で、「現代語」では、
「憂える」
と、微妙に形が違います。そして「憂える」は、やはり、
「将来のことに対して心配する」
という意味でしたので、「過去のこと」について使うのはどうかな。
「悔やむ」「後悔する」
のほうが妥当だろうねと、そのディレクターには答えました。
しかし実は、同じ「うれえる」でも、
「愁える」
の場合は、「過去のことに対して」使えるのです。言葉って本当に難しいですね。