新・ことば事情
6198「習作」
ことしの夏、京都市立美術館に「ダリ展」を見に行った時のこと。
「作品の説明書き」を読んでいた若い女の子2人の会話が、耳に入りました。
「『習作』って何?」
「誰かの絵を見て、描いてるんと違う」
「ふーん」
・・・違うって!誰かの絵を見て真似て書くのは、
「模写」
でしょ!「習作」というのは、
「練習作」
のことだろ!
と思わず口から出そうになりましたが、美術館の中で、知り合いでもない他人に対して、それは、あまりにもおせっかい。ヘンなおじさんんに思われてしまうので黙っていました。
その代わりに、ヘンなことを思い浮かべてしましました。
一生、「練習の作品」を書いていた作家は、
「遠藤周作」
なんちゃって。シューサク・・・。
しかし、「本当に、それで合っているのかな?」と不安になったので、家に帰ってから辞書(『広辞苑』)を引きました。
*「習作=絵画・彫刻・音楽・文学などで、練習のためにつくった作品。エチュード。」
合ってた!良かった。そうか「習作」は英語で言うと、
「エチュード」
なのか。それは知らなかった。「エチュード」とう言葉は知っていましたが。主に、
「クラシック音楽のタイトル」
で出て来ますね。何事も勉強になるな。
ちなみに、その女の子2人は、
「バレエ・リュス・ド・モンテカルロ」
というバレエ団の、「狂えるトリスタン」の舞台芸術を「ダリ」が担当したという説明文を読んで、
「これって、男の人が変な格好して、バレエ踊るヤツやろ。」
とも話していました。違うってば!それは、
「トロ・カデロ・デ・モンテカルロバレエ団」
のことや!!微妙にずれています。残念!