新・読書日記 2016_156
『本当に偉いのか~あまのじゃく偉人伝』(小谷野敦、新潮新書:2016、10、20)
サブタイトルにもあるように「あまのじゃく」な著者が、「偉人」とされる人たち「54人」を、タイトルのまんま「本当に偉いのか」、今の基準・目線で斬って行くというもの。そのほか「評価保留」の人が「14人」。「まえがき」を読むと「しかし、それだけだと嫌な感じの本になる」ので「本当は偉い(と、著者が思う)人(20人)についても書く」というあたりが、著者の少し気の弱さのような、ペーソスのようなものを感じさせて笑いを誘う。そしてこの部分が、実は著者の考え(好み)をしっかりと反映させている部分だと思う。この本は、ある意味「偉人伝」なので、ここに登場する「偉人」を知らない人にとっては「伝記」を読むような感じで読めて、勉強になると思う。先日、若いADに「『小泉八雲』って知ってる?」と聞いたら知らなかったので、これでちょっと勉強しなさい。
なんか、「偉い」という言葉がタイトルに入った本を、続けて読んだな。たまたまだけど。
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