新・読書日記 2016_153
『酒(しゅ)にまじわれば』(なぎら健壱、文春文庫:2010、12、10第1刷・2014、3、20第8刷)
タイトルは当然「朱に交われば赤くなる」のモジリだな。「朱=酒=シュ」、なるほど。交わりますか。交わるんですね、なぎらさんは。なぎらさんが好きな居酒屋は、
「すがれた、年月を感じさせる店」
この「すがれた」という言葉は聞き慣れませんが、この本ではちょくちょく出て来ます。うーん、どう言えばいいんだろ、「すさんだ」ではないな、「わびさび」「粋(いき・すい)」な感じとでも言うんでしょうか、人間味あふれる感じでしょうかねえ。下町風情が漂う、そんな面白くも味わい深いお店、お酒の席での人間、お店も、そのお店の人の感じ、いや、とんでもない店も出て来るんですが、それもまた「味」として楽しめるゆとり。見習いたいです、ハイ。
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