新・読書日記 2016_151
『すぐ感情的になる人』(片山珠美、PHP新書:2016、9、29)
タイトルを読んで「はい!私です!」と手を挙げたくらい。読めねばなるまい。
著者の片田さんも実は「すぐ感情的になる人」なんだそうだ。そりゃあ、精神科医として日々診察に当たっていたら、そっちの方がストレス溜まりますよね。だからと言って、怒る訳にも行かないし。
本書では具体的な事例を引きながら、感情的にならずにはいられない人はどんな人か、なぜ、そういう人が生まれるのか?(環境)、それは、もしかしたら病気なのかもしれない(気質)、そして、すぐ感情的な人を生み出す社会的な環境について、特にこの中で「すぐに正義を振りかざして攻撃する人の怒りの正体」は、思い当たるところがあるので、きっちりと読んだ。当事者でもないのに「けしからん!」と怒る心の底には「羨望」があるそうだ。そうなのか。
周囲の制止を受け止められなくて怒りっぽくなる人は、精神医学では「易怒性」と呼ぶそうだ。そのまんまのネーミングやな。私なんか家族から、しょっちゅう、
「沸点が低い」
と言われる。
「そうや、低いよ、50℃ぐらいかな」
と言ったら、小学生の娘が、
「うううん、20℃ぐらい」
「・・・そんなに低いわけないやろ!」
と、また怒るのだった。
また、ラ・ロシュフコーの言葉が、随所に出て来る。
「狂気を癒やす方法は見つかるが、根性曲がりを矯正する方法は、まったく見つからない」
そうですか。
で、最終章には「処方箋」として「うまく怒る方法」が記されているので、これは利用したい。「厄介な感情はなくならない」のだから、やはりどこかで「噴火はする」わけですよね。問題は、その「噴火の仕方」なんですよね。「自分の感情を書き留める」「相手にも感情がある」「幸福こそ最大の復讐」というようなキーワードが。参考になりました。