新・ことば事情
6185「自死2」
「平成ことば事情5576自死」の2年ぶりの続報です。
2016年10月28日の読売新聞の地方面(河内版)に、
「自死遺族 思い語る」
という見出しで、遺族が思いを語るフォーラムが、大阪・枚方市で開かれるという記事が載っていました。サブタイトル(もうひとつの見出し)は、
「苦しみの末の選択 わかって」
でした。そして、解説のような囲みで、
「自殺言い換え 島根県先駆け」
として、
「自治体で全国に先駆けて『自殺』を『自死』に言い換えたのは島根県だ。2013年3月、遺族グループからの要望を受けて県が策定する『自殺対策総合計画』の名称を『自死対策総合計画』に改めた。『殺』の文字が含まれ、負のイメージを持たれるためという。鳥取県も同年7月に、宮城県も14年1月に、公文書で自死と言い換えることにした。同相談室の担当者は『遺族らを傷つけない言葉や表現が必要で、市民レベルでも地道に自死という言葉を訴えていきたい』と話している。」
と書かれていました。
ただ、この大阪・枚方市でのフォーラムの開催も、まだ、
「2014年に続いて2回目」
ということですし、「島根・鳥取・宮城」に続いて「自殺」を「自死」に言い換えたという自治体は記されていないので、「自死」という言葉が、
「この2年でよく使われるようになった」
ということは、なさそうです。