新・ことば事情
6179「レガシー」
2020年東京五輪の会場建設費を巡って、小池東京都知事が就任以来、「見直し」を進め、IOCを巻き込んだ問題になっています。小池都知事は、
「アスリートファースト」「都民ファースト」
を掲げていますが、それ以外のスローガンとしては、
「復興五輪」「レガシ-」
などという言葉も上がっています。また、あんまり聞いたことのないカタカナの言葉としては、
「ワイズスペンディング」(賢い消費)
などという言葉も、小池都知事は好んで使っているようです。
この中の「レガシー」は「遺産」ということで、五輪が終った後も都民が使えるような施設という意味合いの用です。「レ」で始まる流行語としては、2年前の、
「レジェンド」
と雰囲気が似ているように思います。
そんな「レガシー」に注目していたら、こんな新聞の見出しが目に入りました。
「レガシーなどリコール」
もちろん、ここで言う「レガシー」は、
「富士重工の自動車の名前」
です。「レガシー」と言えば、まずそちらのイメージの方が、私などは強いぐらいです。
しかしそれで思ったのですが、たとえば長野冬季五輪も誘致・開催に成功したはいいけれど、その後の維持費などが県民の負担になっているとも聞きます。「レガシー」は「プラスばかりではないケースもあります。
「負のレガシー」
にならないようにすることも必要ではないでしょうか。オリンピックという「ハレ」の日は、たった「2週間」しかありませんが、その後の「ケ」の毎日は、長く長く続くのです。長野五輪が終わって、もう「18年」経つのです。
前野「東京五輪の記憶」は、「1964年」から50年以上続いています。「モノ」の「レガシー」だけでなく、
「記憶のレガシー」
ということも考えないといけないでしょうね。