新・読書日記 2016_138
『オケ老人!』(荒木源、小学館文庫:2010、12、12初版第1刷・2016、6、14第5刷)
あきらかに「ボケ老人」を意識したダジャレ系・おやじギャグ系のタイトル。(今は「ボケ老人」とは云わないですけど、差別的だということで。)しかし、つい、つられて買って読んでしまいました。
ある場所でたまたま聞いた地元の市民オーケストラ。その素晴らしい演奏にあこがれて門をたたいたのは、メンバーが全て老人で演奏技術から何から「聞くに堪えない」レベルの、名前のよく似た"別の"市民オーケストラ。
しかし主人公は、その気の弱さから「間違いました、やめます」と言えないまま、事態は進んで行く・・・。
おもしろいです。
というより、なぜ私がこの本を買ったかと言うと、タイトルもそうなんだけど、今私が所属している「合唱団」が、まさにこういった状態なんですよね。「オケ」ではなく「コーラス老人」の団体。なんたって「55歳」の私が「最年少」で、指揮者が、
「じゃあ、35小節からいきますよ」
と言って指揮棒を上げると、
「え?何小節から?」
という質問が出て、
「35小節!」
と言うと、
「35ページ?無いぞ、35ページは。30ページまでしか・・・」
「違うよ、35"小節"ですよ!」
「ああ、35"小節"か・・・あったあった」
「じゃあ行きます」
と言うと、今度は別のパートから、
「どこから?」
と質問が出るという・・・。「事実は小説より奇なり」を地で行く状態です。
でも、この小説は面白かったです。杏さんが主演で映画化されたそうですね。見に行こうかな。
star4