新・読書日記 2016_134
『隠蔽捜査5~宰領』(今野敏、新潮文庫:2016、3、1)
この「隠蔽捜査」シリーズ、1作目は「隠蔽捜査」だったのだが、その後は別に「隠蔽」して捜査している感じではないので、ちょっとシリーズのタイトルと合わない。本当は主人公の「竜崎・伊丹コンビ(?)」のシリーズなのだから、「隠蔽捜査」はサブタイトルにして、今回のように「宰領」というのがメインタイトルになっているのだが、それだと「シリーズだ」ということが分からないというジレンマも。シリーズ化というのも難しいものですね。これまでシリーズのタイトルは「2=果断」「3=疑心」「3,5=初陣」「4=転迷」と全部「漢字2文字」できていて、この「第5弾」も「宰領」と漢字2文字だが、意味が分からない難しい言葉。辞書を引いてみましょう。『精選版日本国語大辞典』によると、*「宰領」=「かしらだって物事の取り締まりや処理をすること。またその人。司宰。」
とありました。つまり「リーダー」「おかしら」ということですね。
今回は、衆議院議員が行方不明になって、その後、運転手が他殺体で見つかるという事件の展開。これまでよりもストーリーが複雑になり「どんでん返し」なども用意されて、面白かったです。
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