新・読書日記 2016_126
『隠蔽捜査3~疑心』(今野敏、新潮文庫:2012、2、1第1刷・2016、4、15第8刷)
シリーズ3冊目。
これは、主人公の堅物・キャリア警察署長・竜崎が、なんと恋に落ちるというお話。恋と言っても「もう、中学生か!」というようなプラトニックな。もどかしい。まあ、竜崎も結婚してるし、もしプラトニックじゃない恋に落ちると「不倫」となって、キャリアの警察官僚にとっては、もう取り返しのつかない汚点・ダメージになる訳で、それとの闘い。このシリーズは、ほとんど色恋など出て来ない。その意味でハードボイルドなので、この作品はちょっと違和感があったが、その後『隠蔽捜査3.5~初陣』という短篇の「スピンオフ」(主人公が、竜崎の小学生時代の幼馴染で、警察同期のキャリア「伊丹俊太郎」)を読んで、この「恋」の背景を知って「そうだったのか!」と納得したのだが。でも、おもしろかったです。他の作品が「おもしろすぎる」んだろうね。
star3_half