新・読書日記 2016_122
『ゴジラとエヴァンゲリオン』(長山靖生、新潮新書:2016、7、20)
映画「シン・ゴジラ」の公開にあわせて出されたような感じの一冊。「シン・ゴジラ」は見に行きたいと思っていたので(この本を読んだ後に、見に行きました!)その前に読んでおくかな、と。
著者の長山さんの本は、これまでにも何冊か読んでいるが、どれも知的好奇心を刺激されるものであった。この本も、そんな例に漏れず、おもしろい。
「ゴジラ」は見たことがあるのだが、「エヴァンゲリオン」は見てないし、あまり興味もなかったのだが、この本を読んでいたら、「見て見たいな」と思った。そして何と言っても「シン・ゴジラ」の監督は「エヴァンゲリオン」の"庵野監督"なのだから、その共通点を論じることは、大いに意味のあることである。
庵野監督の「世界観」が、どう「シン・ゴジラ」に反映されているのか?そういったことを通じて、「現代日本」の行方を問うことができると思った。
ちなみに「シン・ゴジラ」の「シン」の意味は何なのか?というのが、皆さん気になるところだと思うが、「新」「真」の他に、著者は「信仰」の「信」、そして英語で「罪」の意味がある「sin」という意味も含んでいるのではないかと言う。また「エヴァンゲリオン」の次作は「シン・エヴァンゲリオン」だと予告しておきながら、先に「シン・ゴジラ」を作るとは何事だ!という声もあるのだそうだ。もしかしたら、庵野監督にとっては「ゴジラ」と「エヴァンゲリオン」は、「表裏一体」なのかもしれない。
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