新・ことば事情
6124「3000安打か?3000本安打か?」
日本時間の8月8日、メジャーリーグ「マイアミ・マーリンズ」のイチロー選手が、メジャーリーグ通算「3000安打」を達成しました。史上30人目だそうです。本当は、イチロー選手は、日本のプロ野球でもヒットを打っていますから、ピート・ローズ氏に、
「高校の記録を足したら、俺ももっと多い」
と言われても、「他の29人の3000安打達成者」と同列なのかなあ?と、ちょっと疑問に思いますが。
それにしても、このところ今か今かと、皆、待ちわびていて、「ついに!」という感じです。
さて、「ミヤネ屋」では、
「3000安打」
と伝えましたが、NHKは、
「3000本安打」
と、「本」が入っていました。また、テレビ朝日も「3000本安打」と「本」が入っていました。
各紙夕刊の見出しを見てみると、「読売・朝日・毎日・産経・日経」の5紙は、全て一字一句変わらぬ、
「イチロー 米3000安打」
で、「本」が入っていませんでした。(日経のみ「縦書き」の見出し)
ただ、本文とリードに目も向けると、こちらは「縦書き」なのでちょっと事情が違って、
(朝日・産経)「3千安打」
(読売・毎日・日経)「3000安打」
と、朝日と産経が「千」という「漢数字」を使っていました。(その数日後の「日経新聞」も、本文の縦書きで「3千安打」と「千」を使っていました。)
メジャー16年目、42歳となったイチロー選手の短い髪の毛はだいぶ白くなっています。降る雪に・・・という感じですね。記録も降り積もったのでしょうね。
その意味では、単なる「単位としての『千』」ではなく「たくさん」という意味の、
「『千尋』の『千』」
として漢数字を使うのも、いいかもしれません。
ただ、これもイチロー選手にとっては「通過点」なのでしょうね。
ともあれ、おめでとうございます!
平成ことば事情5102「2000本安打か?2000安打か?」もお読みください。