新・ことば事情
6120「副反応と副作用」
7月28日の「ミヤネ屋」で「子宮頚(けい)がんワクチン」の健康被害に関する訴訟のニュースを取り上げました。その中で出て来た、
「副反応」
という言葉。いわゆる、薬の、
「副作用」
ですが、「予防接種」の「ワクチン」に関しては「副反応」という言葉が使われるようです。
今回、日テレ・読売テレビは「副反応」という言葉を使っていますが、新聞は、
*「読売・朝日・毎日」=「副作用」
*「産経」=「副反応」
でした。(「日経新聞」の28日の朝刊には「健康被害」という言葉しか出て来ませんでした。)
また、原告側の訴状でも
「副反応」
という言葉を使っていたとのことです。「ワクチンによるもの」と判断すれば、
「副反応」
でしょうし、「ワクチンによるものではない」という立場だと、
「『副反応』という言葉は使わない」
ということになるのでしょうね。
『広辞苑』には、
*「副作用」=医薬の一定の作用を利用して治療しようとするとき、それに伴って、治療の目的にそわないか、または生体に不都合な作用が起こること。また、その作用。
と載っていましたが「副反応」は載っていませんでした。『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』にも「副反応」は載っていませんでした。
『三省堂国語辞典』は、さすが新しい言葉をいち早く取り上げるだけあって、載っていました。
*「副反応」=薬やワクチンを使ったときに起こる、正常でない反応。(例)発熱。
*「副作用」=薬やワクチンを使ったときに起こる、目的に合わない悪い作用。(ワクチンの場合、正式には「副反応」と言う)
ということです。