新・読書日記
2016_136
『リオ~警視庁強行犯係・樋口顕』(今野敏、新潮文庫:2007、7、1第1刷・2015、11、10第32刷)
「隠蔽捜査」シリーズは読み終えたので、別の今野敏作品を読んでみようと。ちょうど「リオ五輪」が終ったばかりだから。この「リオ」というタイトルに惹かれて購入。これもシリーズもので「サブタイトルにあるように「警視庁強行犯係り・樋口顕」が主人公。「キャリア」ではない。1955年生まれでまだ40歳になったばかりの、脂の乗っている刑事。ということは、これが書かれたのは(設定は)1995年。もう20年以上前か。そういう時代の差も感じつつ。「ブルセラショップ」とか、ある意味そういった「なつかしい」風俗の言葉も出て来ます。
『隠蔽捜査』シリーズには、あまり「女」は出て来なかったが(1冊を除いて)、この本は物凄い美人の女子高生が主人公。なんとなく「佐々木希」さんをイメージしました。
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(2016、8、28読了)
2016年8月30日 22:11
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新・読書日記
2016_135
『隠蔽捜査』(今野敏、新潮文庫:2006、2、1第1刷・2013、12、20第35刷)
この「隠蔽捜査」も「5」までシリーズを読んだのですが、最初の「1」にあたる「隠蔽捜査」を読みたかったのに、なかなか本屋さんで見つからず、少し大きな本屋さんで1冊だけ発見、即購入!
最初に文庫本が出たのが10年前で、それから7年で何と「35刷」!何というロングセラー・べストセラーではないですか!
第2巻からは、主人公のキャリア警察官・竜崎は、所轄の所長(警視庁・大崎署長)に「左遷」させられて、そこからいろんな事件を解決していくので、このシリーズが本当に始まるのは「2巻から」という感じなんですが、なぜ「左遷」されたのか、左遷される前の竜崎はどうだったのか、というようなことが分からないと、やはり居心地が悪いということで。読めて良かったです。
私は実は「スターウォーズ」は見てないんだけど、「スター・ウォーズ」も途中から始まって遡る感じなんでしょう?そんな感じで読んでみて、シリーズの「背骨」が通った感じです。このシリーズ、まだ続いているようなので楽しみです!
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(2016、8、21読了)
2016年8月30日 18:01
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新・読書日記
2016_134
『隠蔽捜査5~宰領』(今野敏、新潮文庫:2016、3、1)
この「隠蔽捜査」シリーズ、1作目は「隠蔽捜査」だったのだが、その後は別に「隠蔽」して捜査している感じではないので、ちょっとシリーズのタイトルと合わない。本当は主人公の「竜崎・伊丹コンビ(?)」のシリーズなのだから、「隠蔽捜査」はサブタイトルにして、今回のように「宰領」というのがメインタイトルになっているのだが、それだと「シリーズだ」ということが分からないというジレンマも。シリーズ化というのも難しいものですね。これまでシリーズのタイトルは「2=果断」「3=疑心」「3,5=初陣」「4=転迷」と全部「漢字2文字」できていて、この「第5弾」も「宰領」と漢字2文字だが、意味が分からない難しい言葉。辞書を引いてみましょう。『精選版日本国語大辞典』によると、*「宰領」=「かしらだって物事の取り締まりや処理をすること。またその人。司宰。」
とありました。つまり「リーダー」「おかしら」ということですね。
今回は、衆議院議員が行方不明になって、その後、運転手が他殺体で見つかるという事件の展開。これまでよりもストーリーが複雑になり「どんでん返し」なども用意されて、面白かったです。
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(2016、8、20読了)
2016年8月30日 13:58
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新・読書日記
2016_133
『リオデジャネイロ歴史紀行』(内藤陽介、えにし書房:2016、8、5)
ちょうど「リオ五輪」のタイミングに合わせる格好で出版されました。(発売日が、リオ五輪の開幕日!)
著者の内藤さんから贈って頂きました。ありがとうございます。
いつもの本のように「切手と、その国の歴史・情報」にあふれているが、今回はやや「切手」の情報が少なく感じた。全190ページと少し薄いので、読みやすい。豊富なカラー写真は、内藤さんが実際に現地に行って撮って来たものや、歴史的にも貴重な絵葉書の写真など。目で見てわかるリオデジャネイロの今・昔。
マラソンで走っていたコースに出て来た教会(カンデラリア教会)は「ああ、これだったのか!」とか、リオを象徴する、あの変わった形の大きな岩山は「ポン・ジ・アスーカル(砂糖パン)」と言う(そういえば、昔、小学校の給食に出た"揚げパン"みたいな感じだ)とか、その「ポン・ジ・アスーカル」と、キリストが両手を広げた十字架の形で立っている山(コルコヴァードのキリスト像)との位置関係などもよくわかった。意外とリオデジャネイロって、こじんまりした都市なんだなあと思いました。
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(2016、8、19読了)
2016年8月30日 10:56
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新・読書日記
2016_131
『強父論』(阿川佐和子、文藝春秋:2016、7、30第1刷・2016、8、20第2刷)
昨年亡くなった作家の父・阿川弘之について、長女の佐和子が記したエッセイ。これまでのエッセイにも、たびたび登場した大作家の父・弘之の「横暴ぶり」が、これでもか!と記されている。しかし憎むどころか、それが愛おしい、という感情が伝わってくる。「他人の悲劇」は、端の人からは「喜劇にしか見えない」ことも多いことが、よく分かる。こんな父親だったら嫌だなあと思いつつ、ちょっと面白いよなあ、関係ない人から見たら、この性格。つい、笑ってしまう所が、たくさん!
タイトルの「強父論」は「きょうふろん」と読む。ローマ字で「KYO-FU-RON」と書かれているし、奥付にも「きょうふろん」とルビが振ってある。「強い父」でもあり、それによる「きょうふ=恐怖」、まるでロベスピエールのような、そんな家庭生活の思い出がいっぱい詰まっている。この本を読んで、謹んで(笑いながら)ご冥福をお祈りいたしましょう。
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(2016、8、29読了)
2016年8月29日 18:28
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新・読書日記
2016_129
『マリアージュ~神の雫・最終章4』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2016、7、22)
ワイン漫画「神の雫」の続編である「マリアージュ」。講談社の漫画週刊誌『コミック・モーニング』で連載されている。ことしの初めに、この漫画の単行本が出ていることを知ってから、週刊誌の連載も読んでいるので、この「第4巻」は、大体すでに読んだストーリーだった。しかし、実はこの前の「第3巻」が、抜けているところだったのに、すでに「第3巻」は購入した(読んだ)と思って買わなかったので、ちょっと残念。
次に本屋さんに行ったら、絶対買うぞ!
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(2016、8、23読了)
2016年8月27日 20:57
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新・読書日記
2016_128
『隠蔽捜査3.5~初陣』(今野敏、新潮文庫:2013、2、1)
なんで「3,5」何だろう?と思った。「3」があったら次は「4」でいいじゃない、と普通思いますよね。実は他の「隠蔽捜査」シリーズの「主人公」は、警視庁・大森署長の「竜崎伸也」なのだが、この「3,5」は、竜崎の少学生時代の同級生で警視庁の刑事部長である「伊丹俊太郎」が主人公。つまり「スピンオフ」の短編小説集なのである。そうか、それで「3.5」なんだ!納得。
しかも、伊丹が警視庁の刑事部長になる直前の「福島県警」勤務時代の話から始まり、『隠蔽捜査』シリーズの各物語(ストーリー)の「隙間」を繋ぐような話。
この一冊を読んで、もし、これを「ドラマ化」(もしくは映画化)するなら、
「竜崎=唐沢寿明」
「伊丹=仲村トオル」
でどうかな?と思いました。
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(2016、8、22読了)
2016年8月27日 10:55
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新・読書日記
2016_127
『隠蔽捜査4~転迷』(今野敏、新潮文庫:2014、5、1)
外務省の職員が殺された事件に、悪質なひき逃げ事件、そして放火事件。そこに厚生労働省の麻薬取締官がマークしていた麻薬取引に関連して、麻薬取締官が「邪魔をされた!」と言いがかりを付けて来る。放火事件を調べたいのに「ひき逃げ事件の捜査本部に、所轄からも捜査員を出せ!」とプレッシャーがかかる。さらに、娘の恋人が海外で飛行機事故に巻き込まれたかもしれないので、外務省の情報を取ろうとすると、「外務省職員殺人事件の情報を出せ」と取引を要求され・・・警察小説の醍醐味、「警察内部の縄張り争い」に、他の省庁の縄張り争いまでが絡んできて、複雑な絡み合いになって、面白さも倍加する作品。
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(2016、8、17読了)
2016年8月26日 10:53
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新・読書日記
2016_126
『隠蔽捜査3~疑心』(今野敏、新潮文庫:2012、2、1第1刷・2016、4、15第8刷)
シリーズ3冊目。
これは、主人公の堅物・キャリア警察署長・竜崎が、なんと恋に落ちるというお話。恋と言っても「もう、中学生か!」というようなプラトニックな。もどかしい。まあ、竜崎も結婚してるし、もしプラトニックじゃない恋に落ちると「不倫」となって、キャリアの警察官僚にとっては、もう取り返しのつかない汚点・ダメージになる訳で、それとの闘い。このシリーズは、ほとんど色恋など出て来ない。その意味でハードボイルドなので、この作品はちょっと違和感があったが、その後『隠蔽捜査3.5~初陣』という短篇の「スピンオフ」(主人公が、竜崎の小学生時代の幼馴染で、警察同期のキャリア「伊丹俊太郎」)を読んで、この「恋」の背景を知って「そうだったのか!」と納得したのだが。でも、おもしろかったです。他の作品が「おもしろすぎる」んだろうね。
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(2016、8、15読了)
2016年8月25日 20:52
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新・読書日記
2016_125
『蔽捜査2~果断』(今野敏、新潮文庫:2010、2、1第1刷・2013、11、10第13刷)
「2016読書日記118」に書いた『隠蔽捜査6~去就』(今野敏、新潮社)を読んで、「シリーズの最初(第1巻)から読んでみたい」と書店に行ったら、第1巻が無くて、仕方なくて「第2巻」を買って帰る。一応、「一話完結」になっているから、どこから読んでも良いだろう。そもそも最初に「第6巻」から読んだんだし。
今回は立てこもり事件。主人公はキャリアの大森警察署長・竜崎。しかも、並みの警察署長ではない。警視庁の刑事部長と幼馴染で、「警視長」という「警視総監」「副総監」「警視監」に次ぐ、上から4番目のスーパーキャリアの47歳。でも、現場・前線に出たがるという、それでいて「理論・理想」を盾に現実の事件に向かっていく堅物。
いろんな要素があるのだが、どうもそれが全部繋がっていくのですね。それがこのシリーズの特徴のよう。いわゆる「伏線」というものですか。
大森署の、態度は悪いが有能な刑事・戸高は、一匹狼的で、ある意味、主人公の竜崎署長と気が合うのですが、この戸高刑事、この小説をドラマ化するなら、もう、
「綾野剛」
さんしかいないと思うのですが、いかがでしょうか。
もうドラマ化されているのかなあ?されていないなら、うちで作ってくれないかなあ。
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(2016、8、13読了)
2016年8月24日 12:06
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新・読書日記
2016_124
『歌舞伎一年生~チケットの買い方から観劇心得まで』(中川右介、ちくまプリマー新書:2016、8、10)
中川さんの「実践的歌舞伎鑑賞」の入門編。「プリマー新書」は、中学・高校生ぐらいでも読めるように書かれているシリーズ。もちろん、大人が読んでもわかりやすく面白い。
タイトルの『歌舞伎一年生』は、小学館の学習雑誌『小学一年生』を意識したとのこと。でも「二年生」や「三年生」や、「十年生」ぐらいが読んでも、大丈夫。
表紙の「定式幕」をイメージした渋い色合いのシンプルなデザインも、良い。
この本を読むちょうど一週間ぐらい前に、たまたま別の用事で、東京の歌舞伎座の近く(東京メトロ・東銀座駅)に行ったので、地下から歌舞伎座に入るまでの所の状況は、よく分かった。歌舞伎座が新しくなってからは、まだ一回も芝居を観に行っていないのだけど。
「襲名披露興行」を「1か月」できるか「2か月」できるかは役者の人気(どれだけチケットを捌けるか=営業力)によって違うなどという、かなり「ツウ」の話も載っていたり、ただ観劇するだけではわからない事情なども、分かりやすく、ほどよく詳しく書かれていて、大変おもしろく勉強になる一冊。
あ、よく考えたらアイドルの「友の会」とか「後援会」の元祖は、「歌舞伎役者の後援会」(ご贔屓筋)なんだな。そのシステムを真似したんだな。その意味ではこれは、芸能界の「伝統」なのかな。「SMAP」は解散するけど、歌舞伎役者のつながりは「解散」しないな。一生、続くんだな。
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(2016、8、9読了)
2016年8月23日 22:37
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新・読書日記
2016_123
『中東から世界が崩れる~イランの復活、サウジアラビアの変貌』(高橋和夫、NHK出版新書:2016、6、10)
「ミヤネ屋」にも、何度も出演してくれている高橋先生の著書。勉強させていただきました。後半に最新情報も書かれているが、その最新情報を知るためには、まず「イスラム教と中東地域に関する基礎知識」を勉強しなくてはならない。それが半分ぐらいまで書かれている。これまでに何度となく関連の本を読んでいるが、なぜか知識に定着しないのは、やはり日本に住んでいると、イスラム教が身近な物ではないからであろう。
何度読んでも難度は変わらず、「そうだったのか!」と初めて読んだように、そう思う。
しかし、少しは定着した知識で言うと、
「今、注視しなければならないは、サウジアラビアとイランの関係。特にサウジアラビア」
ということか。「サウジ家のアラビア」という名前のこの国は、国王から若い皇太子に実権が移って、「イエメン」に対して軍事行動を起こすなど、これまでとは違う動きをし始めているが、それは「浅智恵による動き」だ、と。
じゃあ、我々はどうすればいいのか。うーん、見守るしかないのかなあ。
大国・ロシアとアメリカの関わりが、やはり大きな影響力を持っている。
日本も、ヘン動きをしないで、大局を把握した動きをしてほしいものである。
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(2016、7、30読了)
2016年8月23日 21:06
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新・ことば事情
6144「『シングルス』と『ダブルス』のアクセント』
8月17日の日本テレビのお昼のニュース『ストレイト・ニュース』で、リオ五輪の卓球女子代表が団体で「3位」、銅メダルを獲得したニュースを伝えていました。
その中で、ベテランの女性アナウンサーが、
「ダ/ブルス」
という、
「平板アクセント」
で原稿を読んでいるのを聞いてびっくりしました!急いで、新しい『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引いてみると、案の定、
「ダ\ブルス」
の「頭高アクセント」しか載っていなかったので、ホッとしました。
もちろん、その言葉をよく使う専門家の間では「平板アクセント」になる、いわゆる、
「専門家アクセント」
がありますけどね。もしかしたら彼女は、趣味で、「ダブルス」という言葉が出て来る「卓球」か「テニス」か「バドミントン」をやっているのかもしれません。
リオ五輪のバドミントン女子ダブルスで、見事に優勝を飾った「タカマツ」ペアの、松友美佐紀選手も、8月19日の日本テレビの夕方のニュース番組『every.』のVTRの中で、
「ダ/ブルス」
というように「平板アクセント」で話していました。「専門家」は、そうなのです。
その後のインタビューで出て来た伊藤美誠選手(15歳)は、
「シ/ングルスよ\りも」
というように、
「シ/ングルス」
を「平板アクセント」で話していたので、これもビックリしましたが、これはまさに、
「専門家アクセント」
でしょう。その後に出て来た原稿で、女性アナウンサーも、同じように「シ/ングルス」と「平板アクセント」で読むのかなと思ったら、ここはさすがに、
「シ\ングルス」
と「頭高アクセント」だったので、またホッとしました。
(2016、8、19)
2016年8月23日 13:03
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新・ことば事情
6142「台風7号は、なぜシチゴウと読まないか?」
「7」を「ナナ」と読むか、それとも「シチ」と読むかについては、両論あると思いますが、世の中は、
「『ナナ派』が大半を占める」
のではないでしょうか?
以前、将棋の「七冠」を「ナナカン」と読むか、「シチカン」と読むかに関しては、ことし7月30日に亡くなった、翻訳家でエッセイストでもあった柳瀬尚紀さんが書かれていました。
さて、天気情報を見ていてふと、思ったんですが、
「台風7号」
に関しては誰も、
「シチゴウ」
とは言いませんよね?100人が100人、
「ナナゴウ」
と言うのではないでしょうか?なんでだろう?
これって、「ナナ・シチ」論争のナゾを解くカギになりませんかね?
(2016、8、17)
2016年8月22日 18:15
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新・読書日記
2016_122
『ゴジラとエヴァンゲリオン』(長山靖生、新潮新書:2016、7、20)
映画「シン・ゴジラ」の公開にあわせて出されたような感じの一冊。「シン・ゴジラ」は見に行きたいと思っていたので(この本を読んだ後に、見に行きました!)その前に読んでおくかな、と。
著者の長山さんの本は、これまでにも何冊か読んでいるが、どれも知的好奇心を刺激されるものであった。この本も、そんな例に漏れず、おもしろい。
「ゴジラ」は見たことがあるのだが、「エヴァンゲリオン」は見てないし、あまり興味もなかったのだが、この本を読んでいたら、「見て見たいな」と思った。そして何と言っても「シン・ゴジラ」の監督は「エヴァンゲリオン」の"庵野監督"なのだから、その共通点を論じることは、大いに意味のあることである。
庵野監督の「世界観」が、どう「シン・ゴジラ」に反映されているのか?そういったことを通じて、「現代日本」の行方を問うことができると思った。
ちなみに「シン・ゴジラ」の「シン」の意味は何なのか?というのが、皆さん気になるところだと思うが、「新」「真」の他に、著者は「信仰」の「信」、そして英語で「罪」の意味がある「sin」という意味も含んでいるのではないかと言う。また「エヴァンゲリオン」の次作は「シン・エヴァンゲリオン」だと予告しておきながら、先に「シン・ゴジラ」を作るとは何事だ!という声もあるのだそうだ。もしかしたら、庵野監督にとっては「ゴジラ」と「エヴァンゲリオン」は、「表裏一体」なのかもしれない。
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(2016、8、4読了)
2016年8月18日 18:07
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新・読書日記
2016_121
『日本会議の正体』(青木理、平凡社新書:2016、7、8初版第1刷・2016、7、27初版第2刷)
このところ注目を浴びている「日本会議」。
「にほん」と読むのか「にっぽん」と読むのかは、この本の最初を読むだけで確認できる。ちゃんと、
「にっぽん」
と書いてある。勉強になった。。。。。
いや、それだけではない、大体は、「2016読書日記090」で書いた『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社新書)を以前に読んだので、「おさらい」になったのだが、以前「ミヤネ屋」にも出て頂いていた青木理さんは、さすがジャーナリスト、「日本会議」の関連の方々に、直接取材=インタビューを行っており、その一問一答を、そのまま紙上に載せているのが貴重。(頑なにインタビューに応じなかった人もいるようだが、そのことが、その人物の輪郭を浮き彫りにしている。)
そんな中で、ちょうど「第3次再改造安倍内閣」の目玉として「防衛大臣」になった「稲田朋美氏」にもインタビューしていて、その部分が、この本の"一番のキモ"になっているのではないかなと感じた。
そして、防衛大臣就任後、最初の(一番の)注目事項である、稲田防衛相の「8月15日の靖国神社参拝」は、避けられた。「ジブチ」へ海外視察に出かけていたからだ。「参拝しない」ことが不自然でない様に、稲田防衛大臣は「ジブチ視察」に出かけた(もしくは行かされた・・・安倍総理、あるいはその側近に)のではないだろうか。
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(2016、8、7読了)
2016年8月18日 11:05
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新・読書日記
2016_120
『一回半ひねりの働き方~反戦略的ビジネスのすすめ』(平川克美、角川新書:2016、2、10)
タイトルがおもしろそうだったのと、内田樹の幼なじみの著者・平川克美さんという人がどんな人なのか、ちょっと興味があったので、読んでみた。「2016読書日記099」で紹介した『僕たちの居場所論』(内田樹・平川克美・名越康文、角川新書)を読んだのも、この本を読むきっかけになった。「著者つながりの読書」ですね。
ビジネス論なので、特に前半は意味の分からない横文字・カタカナが氾濫する「いけすかない文章」が続いて、「なんだ、読んで損したな」と思ったのですが、途中から「フムフム、なるほど」と、うなずける内容に変わって来た。
第7章「それは何に対して支払われたのか~評価とは何か」、第8章「攻略しないという方法~新しいビジネスの哲学として」などは勉強になったし、同意できるものであった。
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(2016、8、4読了)
2016年8月17日 21:04
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新・読書日記
2016_119
『泡沫日記(ほうまつにっき)』(酒井順子、集英社文庫:2016、6、30)
2016読書日記115で書いた「ジェーン・スー」さんの『女の甲冑 着たり脱いだり毎日が戦なり』を読んだら、なんだか酒井順子さんが読みたくなって、本屋さんへ行くと、まだ読んだことのない文庫本があったので購入。即読んだ。単行本は2013年に出ているそうだ。知らなかった。タイトルは「うたかた」と読むのかと思ったら「ほうまつ」とルビが振ってあった。
「50歳」を目前にした「中年女性」の酒井さんが、「この年になって初めて経験すること」について書いています。「老い」も「新しい発見」と考える視点だと、それと「戦う」ということがない。「ジェーン・スー」さんは、きっと「老化」に対して「アンチ・エイジング」というように「アンチ=反」で戦っているのだが、酒井さんはそれらも「新しい体験・経験」として受け入れている自然体。そういう意味では、酒井さんの態度の方が好ましいが、それはやはり「年の功」なのではないかなあ・・・という気もするわけです。
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(2016、8、2読了)
2016年8月17日 11:03
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新・読書日記
2016_118
『隠蔽捜査6 去就』(今野敏、新潮社:2016、7、30)
「隠蔽捜査」は、これがシリーズ6冊目なのか。なんか、一冊ぐらい読んだような気がするが、ずっと読んでいるわけではない。新作だったので、つい手に取って買ってしまった。こういう小説は、一気に読めるなあ。主人公・竜崎は警察庁のキャリアだが、"ある出来事"で警視庁の大森署長に「左遷」されている。そこで起こる「ストーカー」がらみの事件。自らの娘も、「ストーカー」かもしれない男と付き合っていて・・・。
途中で大体、展開は読めたが、面白かった。主人公がストイックで、ハードボイルド風なのがまた面白い。
注目したのは、「了解しました」という返事。この言葉、最近、
「敬語ではないので、使ってはいけない」
という意見が出て来ているみたいで、正しい返事は、
「承知しました」「承知いたしました」
だとかいう論があるようだが、早稲田大学非常勤講師で『三省堂国語辞典』編纂者の飯間浩明さんは、
「そんなことはない」
という論陣を張っている。私も「いいんじゃないの」と思う。この本は「警察」が舞台なので「了解しました」が何回か出て来て目に留まったので、書き抜いておく。
『竜崎は田端課長に言った。「殺人のほうの指揮をお願いします。私と加賀管理官は、略取・誘拐のほうを追います。」田端課長が言った。「了解しました」』(90ページ)
『「いいところに来た。殺人のほうの捜査について説明してくれ」「りょ、了解しました」』(184ページ)
『「これからすぐに、ここを出る」「了解」戸高の発音は、「りょーーかい」というふうに間延びして聞こえた。竜崎が電話を切ると、すかさず伊丹が質問して来た。』(201ページ)
『「近くで待機していてくれ。必要になったら連絡する」「了解しました」』(204ページ)
『伊丹が加賀管理官に言った。「事態は急を要するんだ。あらゆる手段を講じてくれ」(中略)加賀管理官の表情が引き締まった。「了解しました」彼は、管理官席に戻った。』(246ページ)
『竜崎が言った。「母親に、彼が無事だということを知らせてやってくれ」「了解しました」』(248ページ)
『一方、根岸はやる気満々だった。「了解しました。お任せください」』(253ページ)
ということで、警察では上司に対する返事として「了解しました」は、普通に使われていると考えてよさそうですね、この小説によるとですが。
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(2016、8、6読了)
2016年8月16日 23:02
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新・読書日記
2016_117
『日本の給料&職業図鑑Plus』(給料BAMK、宝島社:2016、7、25)
なんとこういった本が「コンビニ」で売られているのだなあ。買う人がいるのだろうか?と思いながら買ってしまった。
正確には「給料」というのは「月収」でも「年収」でもなく、「月収」を基準に「その給料で定年まで働いたら、『生涯収入』はいくらになるか」を、アニメ好きの男性を対象にした(?)イラストとともに記したという本でした。実はこれが初めての本ではなく、同じようなシリーズの本の中の一冊なのだそうだ。ということは、そこそこ売れているんだろうなあ。
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(2016、7、28読了)
2016年8月16日 21:01
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新・読書日記
2016_116
『都知事~権力と都政』(佐々木信夫、中公新書:2011、1、25)
5年前にこの本が出た時にすぐに買って、それから何度かの都知事選が巡ってくる度に「読もう、読もう」と思っているうちに都知事選が終り、そのまま興味が薄れて...というのを繰り返していたので、
「今度こそ、都知事選までに読もう!」
と決意。なんとか読み終えました。そして小池都知事が誕生しました。
その間、著者の佐々木信夫さんには何度も「ミヤネ屋」にご出演頂きました。ありがとうございました。
前半で「都知事の権力」を記すとともに、後半では「東京都」とういう「自治体の仕組み」について解説した本でした。
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(2016、7、28読了)
2016年8月16日 13:59
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新・読書日記
2016_115
『女の甲冑 着たり脱いだり毎日が戦なり』(ジェーン・スー、文藝春秋:2016、5、30第1刷・2016、6、30第2刷)
著者の「ジェーン・スー」さんのエッセイは、以前一冊読んで面白かったので、この本も買ったのだが。
うーん、傾向としては「酒井順子さん」と似ているのだが、酒井さんよりも6~7歳若いのかな、世代差を感じる。その分、文体が、私ら世代とはしっくり来ない感じもある。
最初に読んだ本に比べると、著者本人が今悩んでいるような感じがした。もがいているというか。タイトルのように、「女(女性)」が「社会」に出て、独り者で働いて暮らしていく上で、これまでの「世の中」の視線(常識)と戦っていかなくてはならない。今、彼女は奮闘中。酒井順子さんは、「戦わずして勝つ方法」を探していたように思うのだが(多少、彼女は"男性的な面"もあったのだと思う。「鉄子」だったり。だから世の中は酒井さんの「敵」とまではいかなかった)、ジェーン・スーさんは正面から戦って、かなり疲れているように思えました。ジェーンさんが「世の中」と戦う際に着る「甲冑」を仕舞った「クローゼット」の中を、あなたも覗いてみませんか?
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(2016、7、25読了)
2016年8月15日 23:58
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