新・ことば事情
6115「前妻と元妻」
7月26日の「ミヤネ屋」で東京都知事選のニュースを取り上げました。その中で、舛添前・東京都知事の話が出て来て、以前、舛添氏の奥さんだった、
「片山さつき参院議員」
が出て来ました。
その際に、最初、原稿もスーパーも、
「前妻」
と書かれていたので、
「あれ?片山さつきさんは、舛添さんの今の妻の"直前の妻"では、なかったのではないか?」
と思い、周囲に確認したところ、やはり「直前の妻」ではありませんでした。だとすると、「前妻」ではなくて、
「元妻」
なのではないかと思い、そのように修正しました。
しかし、よく考えると「前妻」の「前」は、必ずしも「直前の妻」を指すとは限りません。「以前」をひっくるめて言うと「元」になりますからね。
それと、辞書に載っているような言葉として、
「前妻(ぜんさい)」「先妻(せんさい)」
はありますが、
「元妻(もとつま)」
は、話し言葉ではあっても辞書には載っていません。「1語」ではなく、
「元・妻」
という「2語」になると思われます。
言葉と言うのは、難しいですねえ。