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『道浦TIME』

新・ことば事情

6011「胆振支庁」

2010年(6年前です)の3月8日、旅行先の北海道で、「室蘭新報」(=写真)を読んでいたら、

「胆振支庁→胆振地方」

という見出しが。


kotoba6011.jpg

この(2010年)4月1日から、

「支庁」

という呼称が廃止され、

「地方」

になるとの記事でした。

これによって札幌管区気象台は、天気予報などの「地域名」を、

「胆振支庁」

から、

「胆振地方」

に変更するそうです。関西にいるとまあめったに耳にすることのない「支庁」ですが、北海道の人にとっては大きな変更なのでしょうね。

ちなみに「支庁」という地名区分がある地方は、調べてみると・・・・最初に出てきたのが、「北海道」のサイトで、こんな説明が。

『道の組織は、本庁と出先機関に分けられます。 地方自治法第155条第1項に基づき、道では、支庁を北海道支庁設置条例により位置付けており、支庁道税事務所や耕地出張所などの地方機関を置いているほか、保健福祉事務所、土木現業所などの出先機関を所管し、地域における総合行政を進めています。北海道で初めて『支庁』という名称が使われたのは明治5年、また、現在と同じ14の支庁体制がほぼ形づくられたのは明治43年で、これらは、いずれも国の機関による『開拓』とともに歩んできました。

  戦後、地方自治法の制定により、支庁は、都道府県の条例によって任意に設置される総合出先機関と位置づけられました。 これにより、道では、昭和23年に『北海道支庁設置条例』を制定しています。」

北海道には、

「石狩支庁、渡島(おしま)支庁、檜山支庁、後志支庁、空知支庁、上川支庁、留萌支庁、宗谷支庁、網走支庁、胆振支庁、日高支庁、十勝支庁、釧路支庁、根室支庁」

「14の支庁」があるようです。それぞれに属する「市」は、

*石狩支庁=札幌市 江別市 千歳市 恵庭市 北広島市 石狩市、当別町、新篠津村

*渡島(おしま)支庁=函館市 北斗市、松前町、福島町、知内町、木古内町、七飯町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町

*檜山支庁=江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町、今金町、せたな町

*後志支庁=小樽市、島牧村、寿都町、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町、共和町、岩内町、泊村、神恵内村、積丹町、古平町、仁木町、余市町、赤井川村

*空知支庁=夕張市 岩見沢市 美唄市 芦別市 赤平市 三笠市 滝川市 砂川市 歌志内市 深川市、南幌町、奈井江町、上砂川町、由仁町、長沼町、栗山町、月形町、浦臼町、新十津川町、妹背牛町、秩父別町、雨竜町、北竜町、沼田町、幌加内町

*上川支庁=旭川市 士別市 名寄市 富良野市

*留萌支庁=留萌市、増毛町、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、遠別町、天塩町、幌延町

*宗谷支庁=稚内市、猿払村、浜頓別町、中頓別町、枝幸町、豊富町、礼文町、利尻町、利尻富士町

*網走支庁=北見市 網走市 紋別市、美幌町、津別町、斜里町、清里町、小清水町、訓子府町、置戸町、佐呂間町、遠軽町、湧別町、滝上町、興部町、西興部村、雄武町、大空町

*胆振支庁=室蘭市 苫小牧市 登別市 伊達市、豊浦町、壮瞥町、白老町、厚真町、洞爺湖町、安平町、むかわ町

*日高支庁=日高町、平取町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、新ひだか町

*十勝支庁=帯広市、音更町、士幌町、上士幌町、鹿追町、新得町、清水町、芽室町、中札内村、更別村、大樹町、広尾町、幕別町、池田町、豊頃町、本別町、足寄町、陸別町、浦幌町

*釧路支庁=釧路市、釧路町、厚岸町、浜中町、標茶町、弟子屈町、鶴居村、白糠町

*根室支庁=根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町

「ウィキペディア」には、

『北海道の支庁は、それぞれが他の地方の「県」に相当する面積を持ち、気候に影響を及ぼす山地、山脈などが境界線となっている場合が多いことから、天気予報の地域区分でも支庁名が使われている』

とありました。

・・・・・と書きかけたまま、6年が経ちました。

2016年6月16日、その「胆振地方」を震源とする「震度6弱」の地震が起きました。非常に狭い範囲の強い地震だったようですが、「ミヤネ屋」でも速報でお伝えしました。その際に「胆振」は、北海道以外の人には読むのは難しいだろうなと思って、

「いぶり」

とルビを振りました。

(2016、7、25)

2016年7月25日 11:58