新・ことば事情
6105「首脳会談」
7月19日の「ミヤネ屋」で、モンゴルで行われた「ASEM」での「安倍首相」と「李克強首相」の、
「日中首脳会談」
の様子を伝えました。この、
「首脳会談」
という表現に違和感がありました。というのも、「首脳会談」というのは、本来、
「トップ会談」
だと思うのです。『精選版日本国語大辞典』では、
*「首脳会談」=「組織や集団の最高責任者が集まって開く会議」
とあります。
「首相同士」という意味では「カウンターパート」であり「対等」であり、「安倍首相」は、
「日本のトップ(最高責任者)」
ですが、「李克強首相」は、中国の「トップ」ではありません。トップは、
「習近平国家主席」
です。その意味では、
「『首脳会談』とは言えないのではないか?」
と思ったのです。しかし調べてみると、過去の「安倍×李克強」会談を、
「外務省HPで『日中首脳会談』」
としていました。つまり「広義」では「首脳会談」と言えるのかもしれません。「狭義」では、言えないと思うのですけど。
また、中国側から言えば、「習近平国家主席」は「国家元首」なので、
「日本のカウンターパートは『天皇陛下』」
と思っていて、
「『天皇陛下×習近平国家主席』でないと、『首脳会談』と言わない」
と思っているかもしれませんが・・・。そこは「国政のトップ同士」ということで、
「安倍首相×習近平国家主席」
が狭義の「首脳会談」だと思います。