新・ことば事情
6100「労相」
東京都知事選挙の告示事を今月14日に控え、いろいろな候補の名前が上って来ました。
その中に、
「山口敏夫元労相」
の名前がありましたが、この
「労相」
というのは、
「労働大臣」
の略です。ところがこれを、7月5日の日本テレビ「every.」では、
「労働相」
としていました。
7月6日付各紙朝刊では、産経・毎日・日経が、
「元労相」
でした。その後見ていたら、日本テレビの各番組でも、
「元労相」
になっていました。
テレビ朝日は、
「元労働大臣」
でした。これは「略していない」んですよね。略した場合、従来はやはり「労相」だったんです。「労働相」とは略さない。
でも「労働省」は、2001年1月6日に「厚生省」と合併して、
「厚生労働省」
になり、その略称も、
「厚労省」
と「3文字」で、大臣も「厚労相」と「3文字」だし、もう昔の「労相」なんて略称は知らない人も増えて、つい今の「3文字略称」に合せてしまって、
「労働相」
にしたのではないかなあ・・・と思いました。
同じことは、1年ほど前に前に「町村元文相」が亡くなった際に、
「文部相」
という表現が出てきたことがありました。その辺りの話は「平成ことば事情5763文相」をお読みください。