新・ことば事情
6097「150%と5505%」
私、怒ってます!何ですか、6月29日に小池百合子・元防衛相が発表した「東京都知事選出馬表明」に対する、自民党東京都連のコメントは。
「小池氏を自民党都連が応援することは、150%ない」
という中の、
「150%」
という中途半端な数字は!「100%」でいいじゃないですか!というか、「可能性」を表現する場合の「パーセンテージ」は、
「『100』の数字の中で行わないとダメ」
でしょ!(もちろん、「売り上げ」が前年比で「120%」とか「200%」というように使われることはありますし、それはOKなのですが。)
この間は、都知事選出馬の可能性を聞かれた鈴木大地スポーツ庁長官も、
「5505%くらいない」
という、またまた「訳のわからない中途半端な数字」を出して来たし。あれは、
「バカな質問をするなよ」
という意味で、ええかげんな数字で返して来たのでしょう。まだ理解できます。
思い起こせば、こんなええかげんな数字の出し方がメジャーになったのは、やはり橋下徹氏が大阪府知事選挙出馬に関して、
「2万%、ない」
と言っておきながら、出馬して以来ではないでしょうか。
あれ以来私は、こういった「自らの意思に関する可能性」について問われた場合に、
「0~100%の範囲を"超える"数字」
で「%」を表現する人は、原則、
「ウソつき」
だと思っています。ウソつきではなくても、少なくとも、
「その人は、自分のしゃべる言葉に、責任を持つつもりがない」
ことの表明だと思っています。「言葉」に対する真摯な姿勢がなければ、「信頼性」が失われます。特に政治家ほど「言葉」で生きている職業は無いのに、信頼を失わせる言葉を使って恥じないというのは、プロとして失格ではないでしょうか!
(2016、6、29)
(追記)
その後、自民党東京都連は、増田寛也・前岩手県知事で元総務相を擁立することになり、小池百合子氏は、一旦出した自民党都連に出した公認要請を取り下げる事態となりました。それどころか、
「小池氏を応援した場合(親族を含む)は、処分する」
という"お触書き"まで出す事態に。「党員」は縛れるでしょうが、
「党員の親族まで」
そういった党則のようなもので縛ることが、できるのでしょうか?根拠は何でしょう??一体全体「何の権限」をもって「親族を処分」できるのでしょうか?それは「どんな処分」になるのでしょうか?そこに「言論の自由」はあるのでしょうか?不思議な文書ですよね。
しかしまあ、そういった意味では、
「小池氏を自民党都連が応援することは、150%ない」
ということは、今回は、
「ウソではなかった」
ことになりますね。「100%」を超えた「50%分」は、
「親族も含む処分」
ということになるのでしょうか?