新・読書日記 2016_104
『池上無双~テレビ東京報道の「下剋上」』(福田裕昭+テレビ東京選挙特番チーム:2016、6、10)
同じ業界のニュースなのでわかっていることも多かったが、池上さんの仕事のやり方というのが、画面から見ている所の裏側(というほどでもないが)が、思っていた以上に丁寧で、視聴者目線に沿っているのだなということが、本書を読んでよくわかった。そして「池上目線」を即、番組内容に反映していこう!とするテレビ東京のスタッフの心意気も、よくわかった。
テレビ東京は、後発で系列の放送局が少ないこともあり、特に視聴率においては、他のキー局とは同列で論じられないことがこれまで多かった。(つまり、圧倒的に数字では負けていた。)しかし、他局との差異を武器に、「お年寄り」と「お子様」、そして「ビジネスマン」にターゲットを絞り、温泉・演歌・旅行など高齢者に好まれる番組と、子ども向けの「アニメ」、更にはビジネスマン向けのビジネスニュースやドキュメント番組という分野を開拓してきた。
また、「人海戦術」がモノをいう「選挙報道」では、「池上彰」という強力な武器を手に入れることで、他のキー局では思いつかない、思いついてもやらない手法での選挙報道番組を作り、それが視聴者の支持を得た。つまり「視聴率」という形で表れてきた。それが「下剋上」の意味だ。いまや、他のキー局が「打倒!テレビ東京」「打倒!池上彰」を旗頭に「選挙番組」を戦っている状況である。
で、今度の参院選挙。当然、各局、必死で戦います。ある意味、選挙の候補以上に頑張っているのかも。ぜひ、櫻井くんの『ZERO選挙』と、関西は「シミケン&中谷しのぶ」の選挙特番を見てくださいね、皆さん!
star3_half