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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_103

『日本語大好き~キンダイチ先生、言葉の達人に会いに行く』(金田一秀穂、文藝春秋:2016、6、10)

キンダイチ先生が対談の相手に選んだ「言葉の達人」は、加賀美幸子・桂文枝・谷川俊太郎・外山滋比古・内館牧子・安野光雅・ロバート キャンベル・きたやまおさむ・三谷幸喜・出口汪(ひろし)・糸井重里。土井善晴・吉本ばななの各氏(13人)。それぞれに興味深い対話が繰り広げられていて、大変おもしろい。出口さんって知らなかったが興味深い。

一番「日本語の乱れ」を糾弾していたのは、脚本家の内館牧子さん。大相撲の横綱審議委員をしていた時も、歯に衣着せぬスパッとした物言いだったが、「日音語の乱れ」に対してもかなり厳しく、前向きに戦おうとする。大体、言語学者や日本語学者は「乱れ」というものを認めない。なぜかと言うと「言葉は変化するもの」だからだ。「乱れ」というのは「正しい基準」があって、その正しい範囲からはみ出たもの。しかし、時代と共にその「正しい基準」も変わっていくのであれば、それは単に「変化」であって、「乱れ」という「マイナスの価値観」を持って評価はできない、というのが「学者」である金田一先生の立場。それで内館さんに反論を試みるのが、内館さんは全く聞く耳を持たない。気持ちが良いぐらい、全否定。そこが面白かったです。内館さんは、ちょうど『カネを積まれても使いたくない日本語』(朝日新書)を出されたばかりの頃(2013年夏)だったので、よけいに力が入っていました。いろんな意見があって、それはそれでいいと思いました。


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(2016、6、30読了)

2016年7月 7日 14:45 | コメント (0)