新・読書日記 2016_101
『脳が壊れた』(鈴木大介、新潮新書:2016、6、20)
大変ショッキングなタイトルなのだが、本屋さんの店頭の大量の本の中に埋もれると、意外と平凡な文字列になってしまっていて、その重大性が目立たなかったが、ツイッターで、「え?あの『最貧困女子』なんか書いてたジャーナリストの鈴木大介さん、本人が脳梗塞なの!」
と分かって緊急購入して読みました。鈴木大介氏の著署は『最貧困シングルマザー』(朝日文庫)=「2015読書日記047」と『老人喰い~高齢者を狙う詐欺の正体』(ちくま新書)=「2015読書日記049」で読んでいたが、41歳の若さで脳梗塞って・・・一体何があったんだ???
家事から取材(仕事)から何でも完璧に出来なくてはという完全主義で、いっぱい・いっぱいになっていた、という状況がまずあった。そして奥さんも大きな病気を患っていたり、性格的に著者とは相いれない感じだったりで、それが気に入らないのだけど我慢していたり、後から考えると、「ああ、それはものすごいストレスを抱えるよな」と納得してしまうような状況。実際、闘病=リハビリでかなりの部分、こうやって原稿が書けるぐらいに復活できたのは、物凄い努力があったからでしょう。でも高次脳機能障害が残ってしまった。その障害の様子を、さすが「モノを書く仕事のプロ」だけに、経験したことがない読者にもわかりやすく、おもしろく伝えてくれている。そんなに「おもしろい」はずがないだろうけれど、その大変さというのは、笑いの陰に隠しているようにも感じた。お大事に!頑張りすぎないようにね!!
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