新・読書日記 2016_099
『僕たちの居場所論』(内田樹・平川克美・名越康文、角川新書:2016、5、10)
内田樹・平川克美・名越康文の3人による鼎談。このうち内田・平川は同級生。名越は少し年下という年齢構成。それぞれは気の合う仲間だが、やはり性格の違いから、「一番落ち着ける場所」の状況というのは、三人三様。
「デノテーション(明示的)」と「コノテーション(暗示的)」とか、哲学的な話も出て来るのが、カフェの雑談的。第3章の『好き嫌いと価値観の共有』では、いろんな本も紹介してくれて、「グローバル化した世界を覆う無力感」「匿名性の社会のひずみ」「中国とアメリカの脅威の差異」「イスラムVS残りの国という構図」「暴力性をどうやって制御するか」「『景気がいい』は悪くなる前ぶれ」など、世界規模・地球規模の視点で、その本質に迫っていく。主に内田・平川のコンビなんですが、名越先生もちょうどいいポジションで立ち回っている感じがしました。
star3_half