新・ことば事情
6073「連綿と恋々」
舛添・東京都知事の辞職関連のニュース一色の今週でしたが、火曜日(6月14日)のスーパーチェックで、
「(都知事という地位に)連綿としがみつく気はない」
というのがあり、「おや?」と思いました。この、
「連綿」
は、『広辞苑』には、
「長く続いて絶えないさま」
と載っていて、用例は、
「恨み言を連綿と訴える」
です。「延々と」に近い感じです。しかし「地位にしがみつく」というときによく使うのは、
「恋々(れんれん)」
です。発音を聞くと(アルファベットで書きて見ると)、
*「連綿」=れんめん=renmen
*「恋々」=れんれん=renren
というように、違いは「め(me)」か「れ(re)」かですから、滑舌が悪い人が言うと、同じように聞こえますし、言葉の使い方を間違えてしゃべっているケースもあります。意味上からはここは、
「(都知事という地位に」恋々としがみつく気はない」
にしないといけないだろうと変えました。
あとで、舛添都知事の発言部分を聞くと、私の耳にはちゃんと、
「恋々と」
と聞こえました。また、NHKのニュースサイトも「連綿と」となっていましたが、あれは「間違い」ですね、きっと。