新・ことば事情
6058「タケノコ採りか?タケノコ掘りか?」
5月21日、NHK夜6時のニュースで、秋田県鹿角市でクマに襲われた髙瀬さんという男性(高瀬さんの高が梯子高)が死亡したというニュースを伝えていました。髙瀬さんは、
「タケノコ採り」
に来ていたというのです。
「タケノコ掘り」
ではなくて。毎日新聞も「タケノコ採り」でした。
また、5月末に北海道・七飯町(ななえちょう)で小学2年生の男の子が、父親が「しつけ」の一環として「置き去り」にしたところ行方不明になった事件も、最初、父親は、
「『タケノコ採り』に来ていて、行方が分からなくなった」
と言っていました。
私の感覚だと「タケノコ」は「掘る」物だと思うのですが、最近よく「タケノコ採り」という表現を見かけます。タケノコに関しての表現が変わってきているのでしょうか?
グーグル検索では(6月7日)
「タケノコ採り」=22万4000件
「タケノコ掘り」=36万5000件
で、「掘り」のほうが「1,5倍ぐらい多い」のですが。
と、ここまで書いて、
「以前、書いたような気が・・・」
検索するとやっぱり書いていました。2008年に「平成ことば事情3304タケノコ採りか?タケノコ掘りか?」で。全くおんなじタイトルや!
それによると、
「東北・北海道のタケノコは『ネマガリダケ』というタケノコで、これは『掘る』というよりは『採る』なのだ」ということでした。
たしかに、今回出て来たのは「秋田」と「北海道」。ということは「タケノコ採り」で良いということですね。
いやあ、8年も経つと、すっかり忘れているなあ。