新・ことば事情
6057「デコルテ」
見るとはなしに、テレビの音を消してコマーシャルを見ていたら、女性用のクリームの宣伝を放送していました。クリームを首とその下の部分に塗っている中年女性の映像の横に、こんな字幕が。
「首・デコルテ部分は強調しています」
とかなんとかいうものでしたが、この、
「デコルテ」
の意味が分かりません。(なんとなくは、わかっていますが。)
「ローブ・デコルテ」
は知っていますが、あれは「服」でしょ、皇族とかセレブが、それこそ「アカデミー賞授賞式」などに来ていくような。
隣の席のIさん(20代女性)に、
「デコルテって、どういう意味?」
と聞いたところ、すぐさま、
「首の下の襟ぐりの部分」
を指して、
「この部分です」
と教えてくれました。
「でも、本当は『ローブデコルテ』の略だろうから。『服』のことを指したのが、襟ぐりが大きく開いている服なので、その『開いた部分の肌』を指すように、意味が変わってきているのかもしれないね」
服飾関係に詳しい『三省堂国語辞典』第7版を引いてみると、
*「デコルテ」=(1)(女性の)胸の上部から首にかけての部分。(2)デコルテ(1)を強調した、えりぐりが大きく開いたドレス。ローブ デコルテ。
と、ちゃんと「首の下の襟ぐりの部分」の意味が、一番最初に載っていました!さすが!「ローブデコルテ」は2番目か。『精選版日本国語大辞典』でも「2番目」の「服
の意味しか載っていませんでしたが、もしかしたら、本来的な意味は、
「首の下の襟ぐりの部分」
を指すのかな?
最近見た別のコマーシャルでも、「顔」用の化粧水を「デコルテ部分」にも塗って、
「デコルテも!」
と宣伝しているものもありました。女性はみんな知っているんでしょうけど、男性はちょっと縁遠い言葉が「デコルテ」ですね。「おデコ」は関係ありませんね。