新・読書日記 2016_089
『漢字と日本語』(高島俊男、講談社現代新書:2016、4、20)
昔『週刊文春』で連載していた高島さんだが、たぶん「文春」ともめてたのだろう、連載が打ち切りになったのだが、それまでの連載は「文藝春秋社」から単行本になっていたのに、最後の「単行本」は、なんと「文春」からではなく、聞いたことが無いような出版社から出たのだった。その後は講談社の『本』という、本屋さんでタダでくれる冊子(本当は1冊100円ぐらいの廉価の広告冊子)での連載を読んでいた。それをまとめた物。ということで「講談社」の「現代新書」から出ている。以前にも一冊出ているが、それは「読みさし」になっており、こちらを先に読んだ。というのも、最近『本』が本屋さんにないので、タダでもらえずに連載コラムを読んでいなかったから、こちらの新書の方が「読んだことが無い」者が多かったからだ。以前の「新書」は、ほとんど「読んだことがあるコラム」が多かったのだ。
日本の漢字と中国の漢字の関係の文章が多いが、私が面白かったのは「第5章」の「日本語と国語」。吉田松陰の書簡の近代語など、現代につながる「近代の日本語事情」が記されていた。「明治初めの訳語」も勉強になった。
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