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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_085

『陰の季節』(横山秀夫、文春文庫:2001、10、10第1刷・2016、3、20第39刷)

15年で39刷!!ロングセラーでベストセラー!それを今の今まで読んでいなかったとは・・・楽しみは後に取っておくタイプだったのですね、私は。知らなかったけど。

横山秀夫さんと言えば今、あのベストセラー『64(ロクヨン)』が原作の映画が公開中ですが、この本は、映画の原作の"更に基礎"となったような感じ(「D県」が舞台)なので、本屋さんでも『64』と並んでこの本が置かれていました。「警察モノ」なのだけど、いわゆる「刑事」や「鑑識」が主人公ではないところがミソで、警察学校が舞台になった警察小説などもありますが、「警務部」という「内部組織」が主人公の小説ということが、当時は新しかったのだと思います。

4編の「連作短篇」なのだけど、そのタイトルが「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」と、「純文学っぽい」というか、「松本清張的」というか、それだけ見てもあまりよく分からないが、じわじわと分かって来ます。さすが、ロングセラーだなと思いました。


star4

(2016、5、24読了)

2016年5月31日 22:51 | コメント (0)