新・ことば事情
6044「掃苔2」
「平成ことば事情4639掃苔(そうたい)」以来、4年3か月ぶりに「2」です。というのもそれ以来「掃苔」という言葉に出会ったからです。
2016年5月24日の日経新聞夕刊のコラム「プロムナード」で、
「作家の山口恵似子さん」
が「墓は人なり」というタイトルのコラムを書いています。その書き出しに、こうあります。
「もう結構前の話になるが、ことしのお彼岸に放送されたBS朝日『お墓へ行こう』という番組で、あの壇蜜さんとご一緒に都内のお墓巡りをした。その時初めてお墓参りを意味する『掃苔(そうたい)』という言葉を知った。」
とあるのです。ほら、プロの作家でも知らないぐらいの言葉なんだ。辞書にもあんまり載っていないし。
でも、一旦知ると、ちょくちょくこうやって見かけることになるのか?それでも4年に1回って、「オリンピック並み」に出て来ない言葉なのかもしれません。
あ、そういえば関係ないけど最近、近所に「葬儀所」ができたんですが、オープン(って言うの?)前にこんな看板が。
「好評!早期予約受付中」
・・・・ウソですよ。冗談ですよ。
こればっかりはねえ。でも、実は「友の会」みたいなのはあって、月々少額の会費を払うと、「いざという時」にドドッと一時金で何百万円も出さなくて済むというのがある葬儀所もありますが、あれって実は、
「早期予約」
ですよね?実質的には。じゃあ、別におかしくもないのかな。生前にお墓を買う人もいっぱいいるわけだしね。「墓のない人生は、儚(はかな)い」って誰かも言ってったし。
でも死んでしまったらもう「人生」は終わってるんだから「儚い」かどうか、感じることもできないんですけどね。
そういえば私は、随分「掃苔」なんて、していません。