新・ことば事情
6042「ありとなし」
「あり」の対語は「なし」ですよね。では、
「ありません」
の対語は何でしょうか?「あり」に「ません」を付けられるのなら、「なし」に「ません」を付けて、
「なしません」
とは言いませんよね。
「ないません」
とも言いません。「あり」の過去形は
「あった」
ですが、「なし」の過去形は、
「なかった」
と「形容詞の活用」をする。つまり、
「『あり』は動詞」だが「『なし』は形容詞」
なんですね!だから「なしません」とは言えない。
では、
「なぜ、動詞の対語が(動詞ではなく)形容詞なのか?」
ということです。うーん、難しい!!
「ある」というのは「動詞」だけれども、「状態」を表すという意味では、
「形容詞的動詞」
と言えるのでしょうね。だから「対語」として、「形容詞の」「ない(なし)」が来る。しかしあくまでも活用形は「動詞」なので、その辺での「不一致」があるということでしょうかね??