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『道浦TIME』

新・ことば事情

6042「ありとなし」

「あり」の対語は「なし」ですよね。では、

「ありません」

の対語は何でしょうか?「あり」に「ません」を付けられるのなら、「なし」に「ません」を付けて、

「なしません」

とは言いませんよね。

「ないません」

とも言いません。「あり」の過去形は

「あった」

ですが、「なし」の過去形は、

「なかった」

「形容詞の活用」をする。つまり、

「『あり』は動詞」だが「『なし』は形容詞」

なんですね!だから「なしません」とは言えない。

では、

「なぜ、動詞の対語が(動詞ではなく)形容詞なのか?」

ということです。うーん、難しい!!

「ある」というのは「動詞」だけれども、「状態」を表すという意味では、

「形容詞的動詞」

と言えるのでしょうね。だから「対語」として、「形容詞の」「ない(なし)」が来る。しかしあくまでも活用形は「動詞」なので、その辺での「不一致」があるということでしょうかね??

(2016、5、26)

2016年5月28日 12:50 | コメント (0)