新・ことば事情
6034「満面の笑顔」
4月1日の「ミヤネ屋」のスーパーで、思わず見逃してしまいそうになった表現に、
「満面の笑顔」
というのがありました。え?何が違うかって?「満面」の後に来るのは「笑み」、つまり、
「満面の笑み」
が正しい表現ですね。
しかし、結構これって使われていそうな気がします。
グーグル検索(5月3日)では
「満面の笑顔」=47万8000件
「満面の笑み」=41万7000件
でした。ほら!「満面の笑顔」のほうが、たくさん使われている!ほぼ同数だけど。
同業者の中で、もう8年も前、2008年1月16日に、ナレーター・アナウンサー養成塾塾長でナレーターの「伊藤英敏さん」という方が、ブログにこう書いています。
「最近、特に多いナレーションコメント『満面の笑顔』。私も同じ仕事をする人間として、とても気になっています。満面の"満"は全体に満ちるという意味で、"面"は顔のことです。(中略)満面は"顔全体に満ちた"という意味、そこに笑った顔"笑顔"が来てしまうと、顔中に顔だらけになってしまいます。本来は『満面の笑み』です。」
やっぱりおかしいですよね?似たようなものに、
「笑顔がこぼれる」
があります。これも正しくは、
「笑みがこぼれる」
でしょう。これもググって見ましょう。
「笑顔がこぼれる」=23万9000件
「笑みがこぼれる」=75万0000件
これはまだ、正しい「笑みがこぼれる」のほうが優勢ですが、それでも30万件近く「笑顔」も「こぼれて」います。笑みも漏らしている場合ではありませんね。