新・ことば事情
6032「大規模地震」
いまだに収束を見せない「熊本地震」。その後「前震」とされた地震があった4月14日の翌日、「ミヤネ屋」のスタッフから、
「今回の熊本地震を『大規模地震』と言ってしまっていいのか?『大規模地震』」には定義があるのではないか?」
という質問があり、調べたところ、法律では「1978年成立」の、
「大規模地震対策特別措置法」
というのがありました。この法律には、「大規模地震」とは「大規模な地震」であると「広い意味」で捉えていますが、最近のものでは、2014年3月に「中央防災会議」が出している、
「大規模地震防災・減災対策大綱(案)」
によると、
「本大綱は、南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、中部圏・近畿圏直下地震を対象としている。」
とあるので「狭い意味」で規定しています。
その辺りを考慮すると、今回の「熊本地震」は、「東日本大震災」以来の「震度7」を記録した大きな地震で、「東日本大震災」以来初めて、気象庁が、
「平成28年(2016年)熊本地震」
と、地震の名前を命名したことからも、「な」を入れて、
「大規模な地震」
とは言えるものの、
「中央防災会議が想定した「『大規模地震』ではない」
と言えます。しかし、その翌日に「本震」が起きたことで、
「そもそもの定義を変えなくてはいけないのではないか?」
という疑問も出て来ました。